ことでんで行く、スパイスカレー:4.Kinco.hostel+cafe/高松市・花園駅

ことでんで行くスパイスカレー、4軒目は花園駅徒歩5分の「Kinco.hostel+cafe」。「Kinco.」の名の通り、地元の金庫屋さんの事務所・倉庫として使用されていた築50年の物件をリノベーションしたホステル&カフェです。1階のカフェスペースは広々と開放的で、旅や香川にまつわる本もあり、ついつい長居してしまう心地良さ。こちらのランチでいただける「オリジナルカレー」について、マネージャーの鬼木さんにお話を聞きました。※お店は2022/11/6をもって閉店となりました(1.朔日/瓦町駅2.栞や/琴電琴平駅3.カリー屋MARU/栗林公園駅

「今年の4月にランチメニューを増やした際に、5年目になるオリジナルカレーを大きくリニューアルしたんです。チキンカレーの酸味をマイルドにして、スパイスをより効かせました。トッピングにひよこ豆のカレー、スパイスで炒めたゆで卵、サラダを添え、ボリュームたっぷりでにぎやかな一皿です」

チキンカレーはスープのようにサラサラとしているのが特徴的。まろやかな辛味が後半じわじわと強くなり、後を引く味わい。トッピングされたひよこ豆のカレーはピリッとスパイシー。2つのカレーはスパイスの量を加減することで、同じ方向性ながら違う味わいの層を生み出しています。彩鮮やかでたっぷりのサラダもうれしい。

豊富なトッピングがうれしい、オリジナルカレー

「カレーは、スパイスを炒める時の香りや音を丁寧に確認しながら調理しています。トマトをたっぷり使ったチキンカレーは、旨味と酸味のバランスが良く、さわやかな味に仕上がりました。自家製ピクルスに秋はさつまいもを使ってみたり、トッピングでもKinco.独自の味を出せるように心掛けています」

オリジナルカレーはランチタイム限定の一品です。朝は8時から自家製のパンやグラノーラのモーニング、ランチタイムの後は夜22時まで営業していて、カクテルや四国の地ビールなどのお酒も提供しています。新型コロナの影響で宿泊をお休みしていた時期に、カフェ利用のお客様がぐっと増えたと話す鬼木さん。

自家製スイーツは、テイクアウトもできる

「換気のためにドアを開放していたら、近所の方が気軽に寄ってくれるようになりました。これまではホステル、という認知が強かったのかもしれないですね。わかりやいように焼き菓子をディスプレイしたり、 “ここはなんだろう?” と覗いてくださった方にお声がけしてみたり。先日、町内会の集まりの後に年配の方が5、6人でお茶しに来てくださって。地域の方にとっても憩いの場になればうれしいです」

現在、カフェ横のラウンジスペースでは「ART for YOU」を開催中。瀬戸内にゆかりのある作家によるアート作品を展示していて、気に入った作品は購入することができる。

「いつ訪れてもなにか楽しいことがある、わくわくする場所でありたいと思っています。少し先になりますが、カフェと読書で1日のリズムを整えてもらえるような読書会や、ミニ映画祭を開催したいと考えています。カフェでも季節に合わせたスープやパン、自家製シロップのドリンクなど、常に新しいものをメニューに取り入れるようにしています」

天井が高く、開放的な店内

鬼木さんは高松に1年半住んだ後に愛媛に移住したものの、瀬戸内海の景色が恋しくなり、この街に戻ってきた。Kinco.の空間が元々好きだったことに加え、旅人と街の人が交わる場所に興味を持ち、マネージャーとして働くことに。

「ホステル、カフェ、イベント、と総合的な空間づくりができるのが面白いですね。宿泊のお客様が増えてきたら、旅人と地元の人との交流が持てるような場づくりをしていきたいです。高松は、街から港が近くて、思い立ったらすぐに海を眺めることができる。休みがあれば海に行って散歩したり、海風を感じながらお酒を飲んだり。すごく贅沢な時間ですよね。宿泊される方にも港の散歩をおすすめしています。ことでんに乗れば、Kinco.から20分で海なんですよ」

Kinco.hostel+cafe※お店は2022/11/6をもって閉店となりました
高松にあるホステル&カフェ。1階のカフェでは朝はモーニング、昼はランチ、ランチタイムの後は22時迄カフェタイムとして営業している。ランチではスパイスを使ったオリジナルカレーのほかに、自家製パンのサンドウィッチ、カオマンガイを提供し、自家製焼き菓子も人気。アート展示などのイベントも開催しています。

店主おすすめ、近くの場所:讃岐かがり手まり保存会

讃岐かがり手まり保存会では、香川県の伝統的工芸品「讃岐かがり手まり」の技術を受け継ぎ、広く伝える活動をしています。特徴の一つである木綿の糸は、この場所で藍、枇杷の草木など、自然の染料で手染めされ、やわらかで豊かな色彩が並びます。桜やコスモスの花、日本の伝統模様を表現した鮮やかな幾何学模様は、ひと針ひと針、手作業でかがって表現。代表の荒木永子さんは、伝統を大切にしながら新しい手まりの在り方を追究、提案しています。工房では手まりづくり体験が可能で、ショップでは讃岐かがり手まりや小物、草木染めした木綿糸を販売しています。木綿糸の織りなすうつくしい伝統工芸を身近に感じられる場所です。
高松市観光通2-3-16(Kinco.から徒歩3分)
・087-880ー4029(平日10:00-17:00)
・体験教室は予約制。2人以上の予約で開催します。お気軽にお問い合わせください。
ホームページ
*記事の内容は、掲載時点のものです

●ことでんで行く、スパイスカレー
1. 朔日/瓦町駅
2.栞や/琴電琴平駅
3.カリー屋MARU/栗林公園駅

瀬戸内通信社 編集長/ライター、コピーライター:愛知県出身。12年ほど東京で暮らし、2016年に小豆島、2019年に香川県高松市へと移り住む。ライティング、IT企業営業事務、広報サポートなど、気持ちの赴くままいろいろ。豊島美術館、李禹煥美術館が好き。

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