ことでんで行く、スパイスカレー:3.カリー屋MARU/栗林公園駅

ことでんで行くスパイスカレー、三軒目は「カリー屋MARU」。笑顔のすてきな姉妹が営むこのお店は、栗林公園駅から徒歩10分の小さな路地にあります。南インドをベースにしたカレーは胃にやさしく、疲れた時こそ食べたくなる。お店の理恵さん、由香さんにお話しを聞きました。
1.朔日/瓦町駅2.栞や/琴電琴平駅4.Kinco.hostel+cafe/花園駅

「インドカレーって聞くと北インドやネパールのバターがたっぷりなイメージを持っていました。東京に住んでいた頃、初めて南インドのカレーを食べたときにさらっとしていていくらでも食べられるのが衝撃的で。自分でも作ってみたらおいしくできたのをきっかけに、カレーを自作するようになりました」(理恵さん)

理恵さん(左)、由香さん(右)

友人に振舞ったところ、おいしい!と褒めてもらえるのがうれしくて、カレー作りに夢中になった理恵さん。そんな中、姉妹で東京ではないどこかで飲食店をやろう、という話が持ち上がる。候補に挙がった一つは香川。直島に何度か遊びに来たことがあって、海も近いしなんかいい、と物件を見に高松へ。物件を見て、高松を歩いてみると、この街で暮らすイメージがついた。

「カフェをやるつもりでいたのに、姉はカレーにしよう!って聞かなくて(苦笑)。私たち、性格や意見が真逆なんですけど、姉に負けました(笑)」(由香さん)

香川でカレーを作り始めて気付いたのは、四季折々の野菜の豊かさ。

「香川の野菜は立派で元気。唐辛子だけでも種類が豊富で、面白いんです。常連さんで野菜を作っている “竹さん” からおいしい旬の野菜を仕入れています。新型コロナでインドにスパイスを買いに行けずに困っていたら、香川本鷹も作ってくれることになりました」(理恵さん)

竹さんが香川本鷹を持ってきていたので、見せていただいた。

「今年の春から育て始めて、やっとMARUのための香川本鷹ができました」と竹さん

香川本鷹は、絶滅が危惧されていた品種。タカノツメの一種で、長さが7~8センチと大ぶりなのが特徴です。コロナ禍でスパイス入手困難の壁にぶつかったものの、竹さんの香川本鷹で香川ならではのカレーを切り開いたMARU。香川本鷹をそのまま少し齧ると、鋭くとがった辛味が突き抜けるも、清涼感があってさわやか。長くしびれるような辛味とは違った、フレッシュな味わいが特徴です。

MARUのカレーは日替わりですが、開店当初からずっとメニューにあるのは「南インドのケララカリー」。

「辛さはずっと同じですが、辛さの伝わり方は変えています。湿度、気温、季節、そういった変化とそのときの身体の状態を考えて配合を決めています。スパイスは、米油で熱して香りを引き出します。少しの変化でがらりと表情が変わるので、配合を考えるのも楽しいです」(理恵さん)

お米は二人の出身地、福島の「天のつぶ」を使用している。この品種は硬めでねばりけがなく、MARUのカレーにぴったり。

「私たちは地元福島のおいしいお米を食べて育ってきました。そのおいしさを伝えたいし、地元を応援したいという気持ちもあります」(由香さん)

写真:MARU提供

カレーをおいしくするためには、油をたっぷり使う必要があるけれど、身体に負担にならないカレーを目指し、バターではなく米油とエクストラヴァージンオリーブオイルだけを使っています。また、砂糖も白砂糖ではなくきび砂糖を使用しています。二人とも胃が弱く、自分たちが食べられるような身体にやさしいものを、と突き詰めて今のカレーにたどり着きました。

MARUのカレーには、奥深くて複雑な香りの中に、そっと寄り添うような優しさがあります。その優しさは、身体へのいたわりでした。

「カレーを通して、いつもより刺激になったり、わくわくするような時間をお届けしたいです。 “MARUを食べると元気になる!” って言ってくれる常連さんや、週に3回訪れてくれる方もいて、うれしいです」(理恵さん)

私もMARUのカレーがおいしいのはもちろん、太陽みたいな存在のお二人に会えること、顔の見える購買ができることが心地よくて、時々寄っています。

店内飲食では、カレーに合うワインも

カレーのテイクアウトは、お家で温める冷たいカレーも販売していて、近所の方はお鍋を持参して来てくれることも。また、お家でカレーやスパイス料理が楽しめるスパイスセットも人気です。ガラムマサラは、アイスにかけたり、ミルクティーに入れると香り豊かな新しい味に変身します。人気の為、予約がおすすめ。テイクアウトカレーも売り切れ次第終了の為、是非事前にご予約ください。

お店は新型コロナ対策を施し、店内飲食を再開しました。お店ではカレーに合うワインやスパイシーなチャイも再開しています。(2020/9/20追記)

〇カリー屋MARU
大好きな香川県に移り住んだ、カレーをこよなく愛する姉妹のお店。身体にやさしく、スパイスたっぷりで香り豊かなカレーは日替わりです。予約制でスパイスセットも販売中。最新情報は各SNSをご覧ください。容器持参で50円引きにしています。袋・スプーン不要など、エコのご協力をお願いします。

  • 香川県高松市栗林町2-1-20(ことでん栗林公園駅から徒歩10分)
  • 営業時間:11:30-14:00 、18:00-20:30、 土日祝 11:30-15:00
  • 席数を減らし、新型コロナ対策をして店内飲食再開しました
  • テイクアウトご予約:各SNSのDM
  • 店内飲食の予約はお受けしていません、詳細SNSでご確認ください
  • 不定休(各SNSでご確認ください)
  • 売り切れ次第終了
  • Instagram Twitter HP

〇店主おすすめ、近くの場所:藤塚町マルシェ

「ご夫婦がゆるやかであたたかく、心地よく過ごせる場所です。旬のフルーツで、好みのカクテルを作ってもらうのがおすすめです。ノンアルコールにもできますよ。みかん一つでも種類が豊富なことを、このお店で教えててもらいました」
香川県内の生産者から直接仕入れた農産物や加工品を扱うミニ産直店の昼の部と、八百屋のカクテルBARの夜の部で営業しています。 香川のありのままの旬をお届け。ランチタイム営業やお弁当の販売など、最新情報はInstagramでご確認ください。藤塚町1-5-17(MARUから徒歩5分)
昼の部:月12:30-19:00 、火-金10:00-19:00、ランチ 火金11:45-13:30L.O.
夜の部:火-土19:00-23:30 L.O.

●ことでんで行く、スパイスカレー
1. 朔日/瓦町駅
2.栞や/琴電琴平駅
3.カリー屋MARU/栗林公園駅
4.Kinco.hostel+cafe/花園駅

小林繭子

瀬戸内通信社 編集長/ライター、コピーライター:愛知県出身。12年ほど東京で暮らし、2016年に小豆島、2019年に高松へと移り住む。ライティング、IT企業営業事務、ミヤモト惣菜店広報&BARタイム担当など、気持ちの赴くままいろいろ。豊島美術館、李禹煥美術館が好き。

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