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	<title>くらす - 瀬戸内通信社</title>
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		<title>地方で演劇を続ける、その答えをつくっていく</title>
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		<dc:creator><![CDATA[小林繭子]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 23 Mar 2026 11:21:28 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[くらす]]></category>
		<category><![CDATA[移住]]></category>
		<category><![CDATA[表現]]></category>
		<category><![CDATA[インタビュー]]></category>
		<category><![CDATA[つくる]]></category>
		<category><![CDATA[香川]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>香川で演劇活動を続けている桐子カヲル...</p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/chiriko/">地方で演劇を続ける、その答えをつくっていく</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
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										<content:encoded><![CDATA[
<p>香川で演劇活動を続けている桐子カヲルさんと出会ったのは、ダンスのイベント。それぞれがソロでパフォーマンスをする中、桐子さんは白塗りで舞踏を披露していて、こんな人が香川にいるんだと驚いた。よくよく聞いてみると、メインでやっているのは「現代演劇」と呼ばれるもので、香川で10年以上活動していると言う。そんな桐子さんに地方で演劇を続けることについて、3月末に迫る自主公演『ペンブラ／Penumbra』について、話を聞いてみました。</p>



<p>*</p>



<p>——桐子さんが演劇を始めたのは？</p>



<p>大阪の大学で演劇部に入ったのが最初でした。卒業後は東京で就職し、その3年後には大阪に戻って、事務の仕事をしながらずっと演劇活動をしていました。2013年に香川に戻ってからはしばらく演劇活動を休んでいましたが、2016年に瀬戸内国際芸術祭での屋外パフォーマンス『讃岐の晩餐会』出演をきっかけに、活動を再開しました。ここで香川の俳優やダンサーと出会うことができ、彼らとカフェや本屋でのパフォーマンスを作っていくようになります。今は約半分が事務の仕事、残り半分は演劇や表現を軸にしたワークショップなどの仕事をしながら、演劇の活動をしています。</p>



<p>——桐子さんは、俳優や舞台作家などの表現者としての活動のほか、絵本の読み聞かせの講師、ぬいぐるみ作りのワークショップなどさまざまな活動をしていますが、「何をしている人」ですか？</p>



<p>舞台を作る人、かな。舞台って劇場に限らない「場」なんだと思います。戯曲の音読会やぬいぐるみ作りのワークショップもその一つ。人が集まるために自分にできることを提供して、楽しんでもらえる時間を作るっていう意味では舞台なんです。私はとにかく演劇が好きで、なんで演劇ってこんなにもみんなに嫌われているんだろう、なんで日常的じゃないんだろうってずっと思っていて。あらゆる活動は「演劇に出会ってもらう」「演劇を好きになってもらう」ためのきっかけ作りの意図もあります。</p>



<p>——演劇が嫌われている？</p>



<p>「知られていない」の方が近いかもしれない。私のやっている演劇は現代演劇と呼ばれるジャンルの一つで、セリフに頼らないパフォーマンス主体の演劇です。エンタメ作品や台本があってそれを演じるような、一般的にイメージする演劇とは少し違うんですよね。大阪時代は現代演劇が好きな人たちに囲まれていたので、興味がない人のことを考えずとも、大好きな演劇の中で生きていけました。</p>



<p>ところが13年前香川に戻ると、演劇をやっている人はいたけれど、私と同じような現代演劇をやっている人が全然いなかったんです。やっている人がいないから、当然見る人も好きな人もなかなかいない。なので香川で自分の目指す演劇活動をするなら自分で企画からやるしかないし、現代演劇に興味がない人にも足を運んでもらえる企画を考える必要があった。そうして2016年からカフェや本屋といった日常的な空間で、その場に合ったテーマで現代演劇を展開するようになりました。本屋なら『モモ』で知られるミヒャエル・エンデにちなんだ作品を作ったり。</p>



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<p>自分が活動していくことで、香川という地で誰かと演劇を繋いでいくことができると思っていたし、私自身が求めていた仲間に出会えるようにもなりました。香川に帰ってから最初の3年は、演劇をやっている人や好きな人って、どこにいるの？って感じで、あちこちに足を運んでは探していたんです。今思えばですが、そういうモヤモヤした時期があったから「自分がやらなきゃ始まらない」って感じで動きだせたのかもしれません。</p>



<p>——桐子さんは固定のチームを組まずに一人で活動し、企画ごとにさまざまな出演者やスタッフが関わっていますね。どうやって仲間を見つけてきましたか？</p>



<p>会う回数がちょっとずつ重なっていって、徐々に距離を縮めていくことが多いです。香川で舞台芸術やワークショップに顔を出せば、自然と合わせる顔があって。同じ体験をした人と気が合って、何かやるときにぱっと顔が浮かんだり。いいなと思ったら唐突に話しかけて「惚れました」って言っちゃうのもあるかも（笑）。作品や人に惚れちゃう感覚は大事にしたいし、その気持ちは伝えていますね。</p>



<p>私自身はとても臆病な人間で、心を開く、つまり相手を信頼するのに時間がかかる方だとは思います。触角のような繊細なセンサーがあって「この人だったら大丈夫」っていう感覚がつかめたら、一気にオープンマインドになることもあります。今回出演してくれるダンサーの三木優希さんとは2016年の『讃岐の晩餐会』以来の長い付き合いで、俳優の米谷よう子さんは岡山で主宰されているワークショップに何度も参加したところからご縁が繋がっています。</p>



<p>——2026年3月29日の舞台『ペンブラ／Penumbra』は3作品で構成されていますね。三木さんによるダンス作品『ε-δ definition of limit』、みにくいアヒルの子を基にした桐子さんの一人芝居『The Ugly Duckling』、そして今回新たに作るのが三木さん・米谷さん出演、桐子さん演出の『人形の家 -Prototype』。</p>



<p>三つ目の『人形の家 -Prototype』はワークインプログレス公演といって、一定の段階まで完成した作品を公開し、観客の反応を反映しながら作品を作り上げていく手法をとっています。つまり、その作品が本当に完成するのは今回の公演の後。完全に完成された舞台とはまた別の、「完成に向かっていく創造性」を味わうことができるのが、ワークインプログレスの魅力です。予定はまだ決まっていませんが、今回の公演を経て、1時間以上の完成形の公演もやりたいと思っています。</p>



<p>——「完成形じゃないの？」と思ってしまいそうですが、制作過程だからこそ見える演者のチャレンジ、その日その時に生まれる偶発性も面白そうですね。</p>



<p>決められた流れや枠はありますが、その枠の中で出演者がどう観客と向き合ってその場に対応しながら化学反応を起こしていくのか。そのせめぎ合いを見てもらいたいと思っています。</p>



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<p>——どうしてワークインプログレスという形に？</p>



<p>いくつかの思いが重なっています。まず、香川で制作に興味がある人に何らか関わる機会を提供できればという思いと、制作過程をオープンにすることで、見た人の当事者性が宿るのではないかという期待がありました。</p>



<p>また、限られた日数しか出演者が揃わないことがわかっていたので、その中でできるチャレンジを考えてというのも大きいです。今回のようなぎゅっとした稽古、かつワークインプログレスという挑戦は、信頼関係のある米谷さん、三木さんとだからできることでもあります。</p>



<p>そして一番は、数字や成果などの結果ではなく、普段光があたりにくい「過程」に重きを置き、その面白さを見せたいと考えたからです。</p>



<p>——そう思ったきっかけはありますか？</p>



<p>うーん……、大好きな演劇をやるにあたって、実績や結果を求められていると感じてきたから、ですね。私は外国語大学を出た後、正社員として働きながら大阪や東京で約10年俳優として演劇活動をしていました。その後香川にUターンし、事務の仕事をしながら今度は舞台を作る側として助成の申請もしてきましたが、求められるのは過去の実績や成果。それまで出演側だったので制作の実績はほとんどなく、これから始めようと思ってもなかなか取れる助成がなかったんです。</p>



<p>——今回は助成を受けずに自主公演という形を取っていますね。公演の予算的なことはどのように考えていますか？</p>



<p>もう10年前になりますが、香川で最初にやった作品の後、出演者の一人から「出演者にボランティアで参加してもらうのは良くないよ」って指摘してもらったことがあって。それまで自分は出演側しか経験がなくてお金の流れをわかっておらず、かつ大阪で出演していた際は主宰者が自腹で公演していたのでみんなギャラもなく、そういうものだと思っていたんです。でも、主宰するなら自分でプロジェクトや企画全体の収支も考えなくちゃいけない。そんな風に価値観が大きく変わる指摘をもらえて、とても感謝していますし、今では公演を主宰するなら、僅かでも謝礼をお渡しできるようにと考えるようになりました。</p>



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<p>そこからはワークショップの活動を中心に、カフェや本屋など、20人集客したら採算が取れるくらいの規模で演劇活動をしながら、「助成が取れたら広い会場で舞台公演といえるものをやりたい」と思っていました。でも、1年くらい前からさすがにそろそろ規模感のある公演をやりたい、やらなきゃ自分が止まってしまう、もう待てない！って気持ちに火がついて。</p>



<p>とはいえ、やろうと決めてから半年ほどはぐるぐる考えているだけで、ぼーっとしてしまったというか（苦笑）。どこかで踏み出さなきゃと思いつつ、何からやったらいいんだろう、手も足も出ないって感覚でした。「どうしたら自分の望む状態で公演ができるか」ではなく、もう腹を括ってやるしかないって思えたのは昨年末、ほんの3か月前のことです。そうして自分でやるしかないと、今回自費で公演をやることにしました。</p>



<p>——それはどうして？</p>



<p>年が明けた3月に公演をやることは出演者と決めていたので、単純に「もうやらなきゃやばい！」っていうことですね。約束していた期限があったから「どうしたらできるか」という思考になれた。やりたいことを完全な状態で目指すのではなく、今の自分ができる範囲で考えようとシフトできて、やっと具体的に動き出せたんです。</p>



<p>進められなかったのは理想が高すぎたから。せっかく自分が公演をやるならって大きな夢を描いちゃっていたんですね。でも大きな夢を描いたら、実現するために助成を獲得したり、たくさんの人に声を掛けたり、いろんな所に協力してもらう必要がある。自分の理想に対してまだまだ力が足りなかったと今では思います。</p>



<p>——丸亀ビルという味のある空間が今回の会場になっていますね。</p>



<p>ぼーっとしていた半年は、会場探しで行き詰っていた期間でもありました。自分のやりたい演劇は言葉中心ではなく、ダンスのような身体表現や人と人との距離感が大事なので、それなりに広い空間が必要で。さらに、運営的にお客さんが50人以上入る広さを求めていました。それらを叶える低予算で自由度の高い空間って、なかなかなくて。</p>



<p>丸亀ビルのことは、もともと建物そのものを気に入っていました。個性的なお店が集まる複合施設で、2階には何かできそうな雰囲気のいい広いスペースがある。ここで何かやってみたいと度々見に行っていたんです。今回の公演の会場探しをしていた時期に、2階でファッションショーをやっていることを知って。ファッションショーをやった人に「舞台公演をやりたいんだけど、ここって借りられる？」って聞いたらとんとん拍子に話が進み、無事会場が決まりました。</p>



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<p>——香川で活動している中で、自分の変化や気づきはありますか？</p>



<p>自分の求める演劇の場がないから作り始めましたが、作っているうちにそっちの方が楽しくなってきたんですよね。作る側の方が長く演劇を続けられると気づけたのも収穫でした。一人でやっているので、企画、会場や出演者の調整、演出、チラシやHPの作成、SNSの投稿と本当にやることだらけなんですけど、自分でやるしかないし、やればできることが増えていきました。</p>



<p>あとは、演劇にほとんど触れてこなかった方にどうやって届けるか、入り口やきっかけをどう設計するかを考えるようになりました。関わる人を増やすのはもちろんですが、エンタメや会話劇以外にも演劇があることを、知ってもらいたい思いからです。</p>



<p>私はエンタメや会話劇では俳優としての自分がハマる感覚がなかなかなくて、苦しい時期もありました。役割が決められていて、自分が入る余地がないというか。それを救ってくれたのが、懐が深い現代演劇です。セリフや物語がない現代演劇って難しく思われがちですが、実はとてもシンプルで感覚的、語弊を恐れずに言えば原始的なものでもあるんです。まだ現代演劇に出会ってない人にこの面白さを知ってもらいたい、この体験を届けたいという気持ちは強いですね。ちなみに、これまで演劇を見たことのない人の方が、現代演劇を気に入る傾向だと感じています。</p>



<p>——集客や広報について、感じることは？</p>



<p>大阪時代と同じなのは、チケットは手売りが一番っていうこと。プレスリリースやSNS等の広報って、集客のためというよりはここでこんな活動をしているよという声を届けたり、業界にエールを送ったりするツールなんだと最近気づきました。チケットを売るためには、人に会って営業したほうがいいですから。今回初めて本格的に広報をしてみて、全国メディアに掲載されるとやっぱりうれしいですね。自分の声が遠くに届く感覚というか。そして、これは副産物的なものだけど、ネット上に実績を積み上げていくことも大事だと思います。</p>



<p>——自分のやりたいことができている感覚は、今どれくらいですか？</p>



<p>50％くらいかな。足りないものの一つは、人です。既に何人かの人とは出会えていますが、演劇に対して熱量の高い人がどこにいるのか、本当にわからないんですよね。実は体を使うのが好き、演劇が好き、そういう人がきっとどこかにいるはずなんです。どうやったらそこに届くんだろうっていうのはずっと考えていて、いろんな場所で演劇をやることやワークショップ、SNSなどでの広報には、誰かとの出会いへの期待もあります。</p>



<p>もう一つは、演劇をやるために別のことで生計を立てている状況から、脱却できればいいですね。香川で演劇、そしてワークショップなど演劇周辺のことで生活ができる環境を作っていきたいです。</p>



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<p>——地方という場所で、自分の感受性は守れていますか？</p>



<p>どうやって自分の感受性を守りながら生活し、表現ができるんだろうって考えているところではあります。香川に戻ってきた最初の頃は、自分を守るために否定から入っていたというか、いろんなものを寄せ付けない部分がありました。すごく反省していて、それだと地方で表現しながら生きていけないなって。行動や舞台で自分を見せていこうと、だんだんと自分から開いていくようになっていきました。</p>



<p>どこかで誰かが繋がっている環境で我を通しすぎると、知らないところで嫌われるとか、風評被害のように自分に返ってきます。全員に好かれないまでも、悪い印象を与えないくらいの関係性を広く保とうっていうのは、香川に来てから学んだバランス感覚かもしれません。でもそれは舞台にも生かせることで、舞台上でお互いの心地よさを保つためにどんな距離感を取るのか、すごく考えるようになりました。どうやったら共存できるかっていうのに近いかも。あなたの表現や世界観も、私の表現も同じくらい認める感覚というか。</p>



<p>——演劇を続けるために、桐子さんが大事だと思うものは？</p>



<p>演劇に救われた、恩恵を受けた、自分を変えてもらった、そんな経験を生み出していくことかな。それができれば演劇の周辺の人が増えていくだろうし、自分が演劇を続けていくことに繋がっていく。世界の見方が変わるほどの経験って、私にとっては演劇が一番多かったですね。ダイレクトに全身から入ってくるような、体の記憶に残るような経験は、演劇ならではだと思います。</p>



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<p>——桐子さんにとって、演劇とは？</p>



<p>今の時点の答えになるけど、人と一緒にいることがもっと好きになるもの、自分が人間であることを好きになれるものです。意見が合わないとき、会社の仕事だったら割り切ったり、距離を置いたまま続けたりできたけれど、演劇はどこまでも人と関わり続けながら一つのものを作らなくちゃいけない。でもそれを経験することでもっと人間という生き物を好きになれるし、新たな自分も発見できる、そんな希有なものが演劇だと思います。「仕方ないよねぇ」って愛しく思えたり、どんなに表面的にかっこつけていても泥臭い部分があったり。いろんな人の奥に触れることで、もっと人を愛せるようになるというか。</p>



<p>——以前「演劇をどうやって続けていけばいいのか、その答えをいつも探している」と話していましたが、今その答えは？</p>



<p>そうですね……、完璧な答えは見つかってないけれど、なんとか今できることをやり続けることで見えてくる道はある、そんな手応えみたいなものは感じています。私はそんなに恵まれた状況ではないものの、事実として演劇を続けられています。それは、常に続けていく方法を見つけてきたというよりは、自分で演劇を選び続けてきたから。選び続ければ、自ずと方法が見えてくる。選び続けることでしか、続ける方法がないのかもしれません。</p>



<p>私より才能があっても演劇を選ばなかった人もいるし、事情があって演劇ができなくなった人もいます。今演劇をやっている人、これからやっていきたい人たちもきっと私と同じようなことに困ったり、壁にぶつかったりする——だから何とかして続ける姿を見せていきたいし、演劇を続けられる場を残していきたいです。そして、自分が活動を続けることで、香川で演劇を知る、見る、やる、応援する……いろんな角度で演劇に関わる人が増えていったら、すごくうれしいですね。</p>



<p>*</p>



<p></p>



<figure class="wp-block-image size-large is-resized"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4339-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-3047" style="width:550px" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4339-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4339-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4339-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4339-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4339-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4339-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4339-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4339-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p class="has-text-align-left"><strong>桐子 カヲル</strong><br>コキカル主宰。舞台作家、俳優、演出。大学在学中から不条理劇やパフォーマンス色のある「言葉だけに頼らない演劇」に触れ、卒業後は大阪のパフォーマンスカンパニーに入り、音楽を視覚化する舞台表現を追求。2013年より拠点を香川に移す。音を軸に、身体や空間との関係から舞台を立ち上げている。劇場に限らず、カフェ、本屋など、その場所に合わせた公演を行ってきた。ダンサー、音楽家と共に作品をつくるほか、読み聞かせ講師、朗読やぬいぐるみ作りなど、さまざまなワークショップも行っている。<br><a href="https://www.instagram.com/coquecal/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">Instagram</a></p>



<p class="has-text-align-left"></p>



<figure class="wp-block-table"><table class="has-fixed-layout"><tbody><tr><td><strong>公演情報</strong></td></tr></tbody></table></figure>



<p><strong>『ペンブラ／Penumbra -人形の家へ向かう、３つの作品- 』</strong><br>ダンサー・俳優のソロ作品と、ダンサーと俳優による『人形の家』を起点にしたワークインプログレス公演の3部構成。完成した2作品と、形になり始めた作品、その両方を体験する公演です。</p>



<p>●『ε-δ definition of limit』振付・出演：三木優希（ダンスソロ作品）<br>●『The Ugly Duckling』台本・楽曲・構成・出演：桐子カヲル（一人芝居）<br>●『人形の家 -Prototype』構成・演出：桐子カヲル、出演 : 米谷よう子・三木優希 ほか（演劇×ダンス）</p>



<p class="has-small-font-size">※『人形の家 -Prototype』は、リハーサルを公開しながら制作します。 興味のある方は、下記メールにお問い合わせください<br>blueapple202011☆gmail.com（☆を@に変更）</p>



<p>【本公演】<br>2026.3.29（日）14時開演／17時開演&nbsp;<br>開場は開演の30分前​​​・上演時間約70分​<br>会場：<a href="https://maps.app.goo.gl/92xhnPgSrAV7qqSv7" target="_blank" rel="noreferrer noopener">香川県丸亀市南条町1-1丸亀ビル2F</a>（JR丸亀駅徒歩5分）<br>前売¥2,500、当日¥3,000、学生¥2,000&nbsp;<br>小学生以下無料※保護者ご同伴をお願いします<br>※チケット予約は<a href="https://coquecal.wixsite.com/coquecal/general-6" target="_blank" rel="noreferrer noopener">公式HP</a>にて</p>



<p><strong>【プレビュー公演】</strong><br>2026.3.28（土）15時開演・¥1,000（本公演と同会場）<br>人形の家-Prototypeのみ上演（約30分・本公演と同内容）。<br>お子さまと一緒にご覧いただけます。会場が真っ暗になったり、大きな音が出る演出はありません。必要があれば出入りもできます。会場の構造上元気に動き回るのは難しいですが、一緒に座って過ごせるお子さまでしたら大歓迎です。</p>



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<div class="wp-block-button is-style-fill"><a class="wp-block-button__link has-black-color has-cyan-bluish-gray-background-color has-text-color has-background has-link-color has-small-font-size has-custom-font-size wp-element-button" href="https://coquecal.wixsite.com/coquecal/general-6" target="_blank" rel="noreferrer noopener">公式HP（公演詳細・チケット予約）</a></div>
</div>



<p>*記事の内容は、掲載時点のものです</p>



<p></p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/chiriko/">地方で演劇を続ける、その答えをつくっていく</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>その時の自分でどうするのかが大事なのかなって</title>
		<link>https://setouchipress.com/taiga/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小林繭子]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 09 Sep 2024 01:55:27 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[くらす]]></category>
		<category><![CDATA[香川]]></category>
		<category><![CDATA[インタビュー]]></category>
		<category><![CDATA[小豆島]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>小豆島に暮らす高校一年生の辰巳大雅さ...</p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/taiga/">その時の自分でどうするのかが大事なのかなって</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
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										<content:encoded><![CDATA[
<p>小豆島に暮らす高校一年生の辰巳大雅さんは、2024年9月から一年間、フランスに留学することが決まっています。私が小豆島に住んでいた頃に小学生だった大雅くん。会わない間に高校生になり、海外留学を目標に定め、それをつかみ取ったと聞いて成長のスピードに驚かされると共に、とてもうれしく思いました。一年後の彼は、きっとまた変化しているのだと思い、出発前に久しぶりにタイガくんと話してみました。（取材・ライティング：小林繭子）</p>



<p>*</p>



<p>――お久しぶりです！数えてみたら、最後に会ってから5年も経っていました。この4月から高松の高校に進学したんですね。毎日朝早くからフェリーで通学するのは大変？</p>



<p>数か月経って、やっと慣れてきたところです。朝は6時まで寝られて、19時すぎには帰宅しているので、そんなにもハードではないですね。大変なのは勉強かな……高校は授業のペースがとんでもなく速くて、自分でも勉強しないとついていけない。その習慣をつけるのが大変で。</p>



<p>通学に時間がかかる分、フェリー往復二時間をできるだけ活用しようとか、授業中にできるだけ消化しようって意識はしています。授業を受けて出された宿題をやっていればなんとかなった中学時代とは、違いますね。</p>



<p>家に帰ってから学校の勉強をするときはするけど、毎日ではないです。家族にも言われるんですが、お風呂が長くて（笑）。ゆっくりお風呂に入っても寝るのが遅くならないように、でもできれば30分でも勉強できればなと。週末は疲れてしまって、ボーっとしちゃうこともあります。頑張ってメリハリをつけて、休日は休むようにしています。</p>



<p>――高校生活はどうですか？</p>



<p>同学年に同じ中学校出身の生徒がいないので、新しい人間関係を作っていっている最中です。僕はそんなに積極的に人に話しかけていくタイプではないけれど、親しい友人ができたらうれしいし、できるならいろんな人と話していきたいですね。いろんな中学から人が集まっていて、新しい出会いが面白いです。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6938-1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2953" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6938-1-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6938-1-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6938-1-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6938-1-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6938-1-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6938-1-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6938-1-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6938-1-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>――9月からの留学について聞かせてください。一年間、フランス北西部のブルターニュ地方に留学することが決まっているとのことですが、留学したいと思うようになったのは？</p>



<p>何か大きなことがあったというよりは、小さいころから見聞きしていた海外への興味が、いろんな事が重なって高まっていったという感じです。はじまりは、両親が若い頃バックパッカーとしてシルクロードを旅した時のことや、海外の文化について小さい頃から聞いていたことかな。あと、小学生の時に通っていた絵画教室の先生がドイツで活動していた経験があり、ドイツでの暮らしについて聞いたり、写真を見せてもらったりして海外って面白そうだな、となんとなく思っていたのもあります。</p>



<p>そして、豊島を拠点に活動する「usaginingen（ウサギニンゲン）」の二人との出会いも大きいです。usaginingenはオリジナルの映像機器と楽器を使用したパフォーミングアートグループ。アーティストとして活動しつつ、半分自給自足のような暮らしをしていて。海外で暮らした経験もあるし、独自のスタイルを確立して国内外で活躍する、すごい人たちです。</p>



<p>小学校高学年の頃に小豆島からフェリーで30分の豊島に連れていってもらい、usaginingenの劇場を訪れて以来、一人でちょくちょく遊びに行くようになりました。</p>



<p>豊島ではusaginingenの二人や豊島で暮らす人たちと話したり、二人のお子さんと遊んだり、簡単な農作業の手伝いをしたり。いろんな人と出会えるし、普段とはまた違う過ごし方ができるのが楽しかったですね。僕が自分からあまり話さなくても二人は気にせず、そのままでいいって感じでいろんな場所に連れていってくれ、豊島の人たちと引き合わせてくれました。二人のおかげで知らない人と話せるようになったと思います。</p>



<p>――彼らとの時間で、影響が大きかったことって何ですか？</p>



<p>小学校6年生の時に、ユニークな人生を歩む大人たちの話を聞く「usaginingenと空飛ぶゾウ」というYouTube企画に参加したことです。世界で活躍する人たちの話を聞いて、海外での暮らしや仕事って面白そうだ、行ってみたい、とそれまで以上に強い興味を持つようになりました。</p>



<p>また、それまでは仕事といったらスーツを着て会社に行くか、父のような自営業っていうイメージしかなかったけれど、usaginingenみたいに仕事をして自給自足もして暮らすとか、世界で活躍する舞踏家やお坊さん、九州でミニシアターをやっている人、絵本作家など、いろいろな仕事を知りその話を聞くことで、自分にとっての「仕事」というものが、がらっと変わったように思います。</p>



<p>特に印象に残っているのは、イギリスで暮らす発明音楽家のICHIさん。ICHIさんはおもちゃや調理器具など、いろんなものを楽器に変身させ、「曲」というよりは、音の組み合わせのような音楽を作る方。その独特な音楽が面白くて、ぐっと引き込まれました。「これ楽器にできるんじゃないかな」って思うことはあるけれど、本当に楽器にして音楽にしてしまう。それをとことん突き詰め、世界中で人を楽しませているって、すごいなぁって。</p>



<p>この企画を通して自分が知ることもなかったさまざまな生業をもつ人、海外で活躍されている人たちの話が聞けたのは、大きな財産になっています。いろんな仕事のやり方があるということ、自分の求めていることややりたいことを自分の望む形で続けて活躍できるということ――多分頭のどこかではなんとなくわかっていたんだけど、そういうことがはじめて実感できたというか。</p>



<p>夢中になれることを仕事にした人たちに出会い、こんなにいろんなことができるんだ、仕事になるんだ、ってたくさんの気づきがありました。将来何がしたいのかは今もまだわからないけれど、もっと柔軟に考えていいんだとか、自分に何ができるのか考えようって思うようになりました。</p>



<p>少し話がそれちゃいましたけど、こんなふうに小さい頃から海外での生活や仕事について、両親含めていろんな人たちから話を聞けたことが、留学したいって気持ちの根っこにあるような気がしています。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163620-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2946" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163620-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163620-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163620-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163620-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163620-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163620-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163620-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163620-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">取材の日、大雅くんのお父さんの運転で港まで迎えにきてくれた</figcaption></figure>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6944-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2945" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6944-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6944-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6944-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6944-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6944-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6944-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6944-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6944-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">大雅くん・お父さんと坂手地区を歩いた</figcaption></figure>



<p>――留学を具体的に考えるようになったのは、何かきっかけがあったのかな？</p>



<p>中学生の時に、知人のお子さんが留学するって聞いたことだと思います。高校生でも留学できるんだ！って驚いて、そこで初めて「留学」っていうワードが自分に入ってきた感じです。その方に留学体験談を聞かせてもらって、留学のイメージが具体的になってますます興味を持ち、いろいろと調べていく中で留学への気持ちが固まっていきました。</p>



<p>――どんなふうに気持ちが固まっていったの？</p>



<p>それまでは留学ってかっこいいとか、楽しそうとか、ふわっとした興味だったんだけど、海外での暮らしは日本とは全然違うし、考え方も違うことがあって、そういう環境に身を置いてみたいと思ったんです。留学の体験談や海外のニュースや情報は見聞きできるけれど、自分の肌で感じるのはきっと違うだろうし、その国だから体験できること、感じられることを得たいなって。</p>



<p>海外に行きたい気持ちは小さい頃からあって、それは旅行でも叶えることができます。でも、留学では一年ホームステイして、日本人学校ではなく現地の学校に通えるので、よりその国の暮らしができ、その国に近いところが体感できるんじゃないかなって。</p>



<p>――今回の留学決定には、試験があったんだよね。決定まではどんな道のりだったの？</p>



<p>試験では面接、グループディスカッション、英語の筆記試験がありました。中二の後半から勉強を始めて、試験は中三の春。筆記やリスニングは中学生には難易度が高く、高校の受験勉強と同じくらい勉強しました。中学英語とは違って、日本語で聞いても知らないような専門的な単語が多かったですね。おそらく、英語圏の高校の試験や講義のような内容だったと思います。なので、とにかく単語を覚えて、過去問や問題集をひたすら解いて勉強しました。</p>



<p>グループディスカッションについては、当時面接すら未経験だったので最初は想像もつかなくて。自分の意見を明確に伝える機会も、その手前、自分がどう思うのかを真剣に考えることもあまりなかったから、準備は大変でした。どんな質問がくるのかもわからなかったので、二つだけ、どうして留学をしたいのかと、自分はどういう人間なのかはしっかり深掘りして考え、準備しました。こんな機会がなかったら自分自身のことをじっくり考えたり、伝える練習をしたりはしなかったので、試験に受かるかどうか関係なく、いい経験になったと思います。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="752" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163692-1024x752.jpg" alt="" class="wp-image-2948" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163692-1024x752.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163692-300x220.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163692-768x564.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163692-1536x1129.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163692-2048x1505.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163692-600x441.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">小さい頃から遊びに来ていた「瀬戸の浜」</figcaption></figure>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6981-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2947" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6981-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6981-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6981-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6981-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6981-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6981-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6981-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6981-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>――試験のための勉強は、苦じゃなかったですか？</p>



<p>自分で決めたからには一生懸命やろうっていう気持ちもあったので、苦ではなかったです。留学のテストや高校受験など、何か大事なことがあると頑張れるのかな。普段はあまり勉強しないので、もっと普段からやっていたら少しは楽なんだろうけど（笑）。</p>



<p>不安はもともとあまりない感覚で、ぼんやり不安だとは思うし緊張はあるんですが、具体的な不安はあんまりない、って感じ。この性格がいい時も悪い時もあるけど、今のところいい時が多いので助かっています。中三でもし合格しなくても、高一でまたチャンスがあるという気持ちは正直ありました。また、僕が応募したプログラムは希望する国の応募者数と試験結果の掛け合わせなので、たくさん希望を出せばどこかには行けるだろう、というのもありました。どの国に行って何をしたいという希望があったわけじゃなくて、行ける国で頑張ろうと決めていました。</p>



<p>――実際の試験はどうでしたか？</p>



<p>個人の面接や英語のテストはそれなりに力を発揮できたけど、グループディスカッションはやっぱり苦戦しました。議題はコロナ禍で人の行動が制限されたことのメリットやデメリット、自分はどう感じたか、日本の状況について。テーマが難しいのもあって、自分の意見がなかなか出てこなかったですね。オンラインではどのタイミングで自分の意見を言っていいのかよくわからないし、どんなことを言えばいいのか考えているうちに議論はどんどん進んでしまって。次やるなら考え込まず、簡単でもいいからまず意見を持つようにしたいです。そもそも自分の意見が普段から弱いということにも気づきました。</p>



<p>――試験を受けたこと自体がすごくいい経験になったんだね。留学先のフランスはどうやって決めたの？</p>



<p>第一希望では、ドイツを希望していたんです。usaginingenが暮らしていたから、興味があって。テストも他の人に比べたらまだまだだろうというのもあって、ドイツに限らず、海外留学すること自体を目標に設定して。10個ほど希望の行き先を選び、結果第二希望のフランスになったって感じです。</p>



<p>周りの人から、なんで英語圏の希望を出さなかったのって言われたけど、なんとなく、英語圏はすぐ行ける気がしたんです。全然そうでもないんだけど（笑）。「行ける国に留学しよう」が僕の留学だから、現地の言葉の勉強は留学先が決まってから。大変だろうな、と思ってはいました。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163688-1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2949" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163688-1-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163688-1-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163688-1-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163688-1-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163688-1-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163688-1-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163688-1-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/P6163688-1-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>――出発一年前の中三の夏に留学先が決まって、受験勉強もあるから大変そうだね。フランス語の勉強は順調？</p>



<p>フランス語は聞いてもまだよくわからないし、話すとなるともっと難しくて、会話はまだまだ難しい状態です。英語も似たようなことがあって、話したいことが自分の中にあっても言葉が出てこないんですよね。「何て言えばいいんだろう」って考えすぎちゃう。そうじゃなくて、知っている単語を続けるだけでもいいし、簡単な文法でもいい。正確には違っていても通じることもあるので、もっと柔軟な思考が必要だなって感じています。</p>



<p>留学から帰ってきた人たちからは、「少しでも話せるように勉強したほうがいいけれど、わかる人でも最初の三か月は全然わからないし、それが普通だから気にしすぎないでいい」「現地の言葉がわからなくても、何もできないわけじゃない」って言ってもらったことが印象的で。うまく言葉が出てこなくても、コミュニケーションを取ろうとする努力を大事にしたいです。</p>



<p>島外の高校を選んだ理由の一つには、自分からコミュニケーションを取っていけるようになりたいという思いもあったんです。フランスでも、ホストファミリーと仲良くしたいし、学校で友達も作りたいし、いろんな人に話し掛けていきたいですね。言葉の面で最初は困るだろうけれど、そこで自分がどうするのかが大事だと思う。だから、頑張ってみんなの中に入っていけたらいいな。<br></p>



<p>フランス語で現地の高校の授業を受けるのもあって向こうに行って苦しむかもしれないし、もっと心配したほうがいいのかもしれないけれど、そんなに大きな不安はない感じです。数週間後にはフランスの暮らしが始まるのに、まだ実感がないのかな。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6988-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2950" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6988-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6988-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6988-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6988-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6988-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6988-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6988-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6988-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>――一年後日本に帰ってきたら、学年はどうなるんですか？</p>



<p>これは自分で決められるんです。僕の場合は、もう一回高校一年生をやることにしました。フランスではきっと日本の勉強のことはできなくなるだろうし、一年空くと勉強に追いつくのが難しいだろうと思って。人間関係も新しくなるので少し不安はあるけれど、せっかくいろんな経験をするんだから「知り合いが増える」って感じで、できるだけいい面を見ていきたいです。今の同級生とも、島の中学時代の友人たちとも、フランスで出会った人たちとも長く関係が続いていけばうれしいです。</p>



<p>――留学での楽しみは？</p>



<p>ブルターニュ地方は中世の町並みが残っていると聞いて楽しみにしているし、いつもとは違う食文化やホストファミリーが飼っている猫との暮らしも楽しみです。でも、一番の楽しみは「その地の日常」を味わえることかな。ごみ問題、移民文化についても興味があって、フランスだから触れられることも知っていきたいです。フランスがどんな国なのかこの目で見て、体験して知りたいし、フランスで暮らすことで見えてくるだろう「日本がどんな国なのか」を学び、感じたいです。</p>



<p>――一年後、留学から帰ってきた自分に期待することは？</p>



<p>フランス語が話せるようになっていたらいいな。でも、言葉がわからなくても、フランスで生活できていたらって思います。あと、今よりもっといろんな人と関われるようになっていたいかな。人ってそんなすぐ大きく変わるもんじゃないけど、初めてのフランスで自分の視野を広げて、その地の文化や考え方、今想像できてないこともたくさん吸収して日本に帰ってきたいですね。留学を目前に控えて間に合ってないこともあるけれど、今はできることをやるだけ。とにかく行ってみないとわからないので、出たとこ勝負で楽しみたいと思います。</p>



<p>*<br>協力：<a href="https://usaginingen.com/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">usaginingen</a></p>



<figure class="wp-block-image size-large is-resized"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="777" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6961-1024x777.jpg" alt="" class="wp-image-2951" style="width:650px" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6961-1024x777.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6961-300x228.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6961-768x583.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6961-1536x1165.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6961-2048x1554.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/09/IMG_6961-600x455.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p><strong>辰巳大雅</strong><br>2008年香川県仲多度郡まんのう町生まれ、高校一年生。三歳の時に両親と共に小豆島へ移住。大の阪神ファンで、甲子園まで観戦に行くほど。小学生の時に音楽部で担当していたチェロを高校に入ってから再開した。ヨット、バスケットボール、地域活動を行うジュニアリーダーなど、好奇心の向かう先へまっすぐ。<br><a href="https://www.instagram.com/tyga._fra">Instagram</a></p>



<p>*記事の内容は、掲載時点のものです</p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/taiga/">その時の自分でどうするのかが大事なのかなって</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
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		<title>日常に変な空間を作って、自分の常識を超えてもらう。／堤聡さん（無人駅本店）</title>
		<link>https://setouchipress.com/tsutsumi/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小林繭子]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 23 Aug 2024 09:22:19 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[であう]]></category>
		<category><![CDATA[くらす]]></category>
		<category><![CDATA[徳島]]></category>
		<category><![CDATA[表現]]></category>
		<category><![CDATA[つくる]]></category>
		<category><![CDATA[インタビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>徳島県の無人駅「JR池谷駅」では、2...</p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/tsutsumi/">日常に変な空間を作って、自分の常識を超えてもらう。／堤聡さん（無人駅本店）</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
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										<content:encoded><![CDATA[
<p>徳島県の無人駅「JR池谷駅」では、2023年から年2回、本屋のPOP UP（期間限定の出店）「無人駅本店」が開催されています。無人駅での本屋POP UPに興味を持って調べてみると、企画・運営をしているのは、関東に住む会社員の堤聡さんでした。なぜわざわざ徳島の無人駅で本屋POP UPをしているのか、JR四国とどのようにこの場を実現したのかなどを聞いてみたくて、また、どんな本屋なのか気になって、無人駅本店を訪れてみました。</p>



<p>——さっそくですが、堤さんは関東の鉄道会社で働かれているんですよね。どうして徳島の無人駅「池谷駅」での不定期イベントとして本屋を？</p>



<p>この駅のすぐ近くに祖父の家があり、幼い頃からこの辺りには何度も訪れていました。農家として働く祖父の背中を見て、農家の課題解決を目指して農学部に進学したものの、公務員試験に落ちたり、いろいろな理由が重なったりして、就職では別の道を探すことに。子供の頃から好きだったものを考えてみると、そうだ電車が好きだったじゃないかと思い出し、関東の鉄道会社に就職しました。</p>



<p>職場の同僚は、地方の高校を卒業後、そのまま就職してきた人ばかりです。彼らとこの会社に就職した理由などを会話していたら、先生に勧められたから、高校に求人票があったからなど、能動的な理由を語る人がほとんどいなかったことに驚きました。高校卒業後の就職では、自己分析や複数企業の比較検討、同時選考などのいわゆる「就活」をする人はあまりいないのだと、その時初めて知ったんです。</p>



<p>経理、CADなどのスキルやクリエイティブなセンスのある人たちが、得意な分野とは違う仕事をしているのはなぜだろう。入社してから仕事とのミスマッチに悩む人を見て、「就職を検討するタイミングにもっといろんな選択肢や考え方を知っていたら、違う選択をしたのかもしれない」と思うようになって。それは、池谷駅を使って高校に通う学生たちの姿とも重なりました。自分にできることはないだろうかと考えた時に浮かんだのが、本でした。</p>



<p>——地方の高校生が将来を考える際の一助として、本が何かしらのいい影響になるのではと？</p>



<p>そうですね。私にとって、本はメンターのようなもの。本は、さまざまな生き方、考え方、問いを与えてくれる存在であり、何かを押し付けてくるようなことはありません。僕は、 少なくとも自分で決めたことは頑張れる。自分で気づく、考える、選ぶ、決めるっていう過程が重要だとも思っています。本が媒介になって進路を考えたり、決断したりと、何かしら役立てるのではないかと。それを子供の頃から知っているこの場所、高校生たちが通学で使う池谷駅でやってみたい——そんな思いつきが、最初の始まりでした。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013262-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2911" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013262-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013262-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013262-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013262-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013262-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013262-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013262-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013262-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="778" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013426-1024x778.jpg" alt="" class="wp-image-2912" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013426-1024x778.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013426-300x228.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013426-768x583.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013426-1536x1166.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013426-2048x1555.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013426-600x456.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">徳島県・JR池谷駅での「無人駅本店」の様子</figcaption></figure>



<p>——実現するにあたって、何から始めて、どうやって進めていったのですか？</p>



<p>準備を始めたのは、2017年頃です。本に関して素人の私がJR四国さんにいきなり企画書を出しても難しいだろうと考え、まずは修業、学びになることをやってみることにしました。知人のツテで長野県の駅と電車内で開催する古本市のスタッフをやったり、一箱古本市に出店するようになったり。2018年には一箱古本市での収益性を検討するため、東京圏で一箱古本市への出店を積極的に行い、選書や値付け、オペレーションなどを身につけていきました。</p>



<p>——何が一番大事な学びになりましたか？</p>



<p>選書と値付けの掛け合わせでしょうか。どちらも収益性に直結する重要な要素です。一箱古本市では、自分で網羅的に本を揃えなくても、他の出店者さん含めた全体を一つの本屋さんと考えれば、来場したお客さんの満足度は高い。なので、自分なりに突き抜けた選書をするようになりました。一年で選書と値付けの力がつき、収益性を確保できるようになりました。</p>



<p>次のステップとして、四国の本屋さんや一箱古本市の活動をしている地域のプレイヤーと知り合おうと、四国の一箱古本市で出店するようになり、さまざまな出会いがありました。四国エリアでの出店で驚いたのは、高松や松山でも、人口が多いはずの東京圏と売上が変わらなかったことです。</p>



<p>2018年から2019年は一箱古本市のイベント出店に加え、飲食店のブックイベントを任されるなど、一人でその場に合わせた本を考える機会にも恵まれました。会社勤めをしながらなので年に数回ですが、新刊を仕入れられるようにしたり、古物商許可を取得したりしながらコンスタントに本に関する活動を続けていきました。</p>



<p>——自分だけが出店するようなケースでは、どんなことに注力していましたか？</p>



<p>間口は広く、いろんなジャンルを揃え、「ここでしか出会えない」と感じてもらえるような本も混ぜていくことです。気軽に読みたい人向けに映画化された小説を入れたり、立ち止まってもらうためにちょっと変わった本を入れたり、学生でも手に取りやすい金額の面白いZINEを入れたり。その空間に合わせてジャンルを考えることもありました。その経験が、単独出店のベースになっていますね。</p>



<p>——2017年からの「修業期間」を経て、JR四国への提案は、いつ頃から？</p>



<p>自分なりにそろそろと思えた、2019年5月です。鉄道関係のいろいろな知人に聞くのを繰り返し、人づてになんとか紹介していただいたのが最初です。無人駅・池谷駅での本屋出店の企画書には、大きく三つのポイントとして、地元の高校生に新たな価値観や仕事観を知ってもらうきっかけづくり、鉄道の利用促進、無人駅を活用した地域の賑わいづくりを打ち出しました。</p>



<p>無事JR四国さんから具体的に検討しましょうという声をいただけて、夏には駅の図面をお借りしてどこをどう使うのか、実施検討のやり取りが始まり、現地確認含めさまざまな調整を進めました。2020年3月には、駅待合室を活かしてミニマムに、まずはイベントとしてやってみようという話にまとまりました。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013276-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2913" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013276-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013276-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013276-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013276-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013276-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013276-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013276-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013276-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>せっかく話がまとまったのですぐにでも開催したかったのですが、新型コロナによる緊急事態宣言でしばらくは実施できなくなってしまって。約3年後の2023年、そろそろ開催できるのではと再びコンタクトを取りました。もう一度駅を内見し、駅舎の外でやる想定で設営のイメージを具体的に説明したのが2023年4月。JR四国さん側の調整が完了してから二週間後、5月26日に初回を開催しました。</p>



<p>——決定から、ずいぶん短期間での開催だったのですね。</p>



<p>すぐにできなかったら貴重なチャンスを逃すかもしれないし、またコロナなどで延期になるかもしれないですからね。イベント空間を作る場数は踏んで、やれるとなったらいつでもできるようにしていたし、近隣の町内会の方にも温かい声をかけていただけたので、出店自体は案外スムーズでした。承諾から開催までは早かったですが、提案までに数年かけるなど、怖がって石橋を叩きすぎました。もっと短期間で実現することもできたとは思います。ただ、個人店での単発出店とはまた違った公共性の高い場所なので、自分の経験値を上げたうえで、丁寧に準備を進めたいという思いもありました。</p>



<p>——無人駅での出店に関して、集客への不安は？</p>



<p>実は、徳島や四国の人たちからは、「松山や高松なら上手くいくだろうけど、徳島で文化的なことをやるのは無理だ」と脅かされていました。でも、実際は全くそんなことはありません。本が好きな人は絶対にいて、そういった人が10人、20人と訪れてくれます。店舗を作るわけでも、地域の大きなイベントでもないので、十分だと考えています。</p>



<p>準備期間中に、徳島ですごく印象的だった出来事がありました。おそらく徳島県で初めての本格的な古本市だった「うだつのあがる古本市」（2022）に出店した際、お客さんに「この本を徳島で手に取れるとは思ってなかった、うれしい」と喜んでもらえて。個人出版の新刊本やZINEは、当時徳島ではあまり流通していなかったんですね。その時の経験で、ちゃんとやらなくちゃっていう思いがより強くなりました。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013332-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2914" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013332-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013332-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013332-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013332-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013332-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013332-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013332-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013332-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>——それは、どうして？</p>



<p>「徳島では実物を見られないから、神戸に行って買う」といった感覚を超えるというか、ちょっとしたことでも諦めなくてもいい、徳島でもできるって、こんな小さな出店規模でも気持ちの変化を起こせることが面白くて。こういうところにも、都心ではなく徳島でやる意義を感じています。</p>



<p>物流とか、お店がないとか、子供も大人も当たり前のように諦めていることって、徳島に限らずきっといろいろあると思うんです。無人駅にPOP UPの本屋みたいな変な空間や普段見かけないような本が突然現れることで、自分の中の常識を超えてもらう。近所でも買えるんだとか、こんな小さいスタイルで駅を借りてもいいんだとか、日常の通学途中にある無人駅が異空間になるとか。変な人がいて、やろうと思えばできる、それが目に見えるってことが大事だと思うんです。</p>



<p>——言葉にせずともアクションで思いが伝わり、それが次の誰かや何かに波及していきそうですね。ところで、この「無人駅本店」の発端は地方の高校生に向けたアクションでしたが、どんな選書を？</p>



<p>通学時にぱっと目に入りそうなキャッチ―なもの、装丁が独特なもの、進学先を決めるときにヒントになりそうな特殊な仕事にまつわるものを選んでいます。学生さんに「変わっているけど、こういうのもいいんだ」って思ってもらえそうな見た目の本や、そんな働き方に関する本をなるべく多めに入れています。他には、徳島だと手に入りにくい出版社の新刊やおすすめのZINEも持ってきています。</p>



<p>——例えば、どんなものがありますか？</p>



<p>カラスの研究、インタビュー、渋滞学、食欲をそそる語感のマーケティング本や、詩集などさまざまです。人の生き方はいろいろで、間違った生き方はない。学校や親御さんに理解されなくても、自分がいいと思ったものを見つけ、将来へのヒントになればと選んでいます。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013338-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2915" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013338-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013338-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013338-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013338-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013338-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013338-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013338-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013338-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">堤さん選りすぐりの、個性的なZINEが並ぶ</figcaption></figure>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013288-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2916" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013288-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013288-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013288-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013288-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013288-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013288-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013288-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013288-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">対談、小説、詩、漫画などで構成され、独特な装丁の「団地のはなし」</figcaption></figure>



<p>——「無人駅本店」は2023年から今回で3回目の開催ですが、今感じていることは？</p>



<p>半年に二日間だけ開催する小さな場所をめがけて来ていただけることが、まずうれしいです。本が好きなんだな、と感じるようなお客さんが多くて、選書の励みになりますね。小さなお子さんを連れて毎回来てくれるようになったお母さんは、いつも絵本をたっぷり買っていかれます。全力で本を見に来てくれるので、私も全力で本を出す、そんな関係性になっていると感じています。</p>



<p>——取材中ちょうどいらしていた方ですね。売れ筋とはまた違う面白い本、徳島市内の大型書店では出会えない本があって楽しい、絵本への熱量も感じると話されていました。</p>



<p>そのお客さんの顔を浮かべて選んだ本たちもあるので、あれだけ選んでもらえると心の中でガッツポーズしちゃうし、お互い「しめしめ」って思っているようなこの感じがいいなあと。他にも毎回来てくれる大学生の顔を浮かべて雑誌をいれてみようとか、お店という形でさぐりさぐり提案できるのは面白いです。お客さんの数が限られているからこそ、そういう楽しみも生まれています。</p>



<p>——具体的な顔を浮かべて選んだ本は、必ず売れますか？</p>



<p>いや、思いっきり外すときもあります（苦笑）。なんにせよ、1回やっただけではわからないものがありますね。2、3回やって定期的に来てもらえるようになって、なんとなく好みがわかって……だから、続けていくほど新たな発見があって、これからもどんな面白いことが起こるのか、楽しみなんですよ。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013305-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2917" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013305-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013305-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013305-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013305-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013305-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013305-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013305-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013305-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013309-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2918" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013309-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013309-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013309-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013309-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013309-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013309-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013309-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013309-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>——今回、新しいお客さんはどんな感じでしたか？</p>



<p>初めて来てくれた中高生の親子連れのお客さんに話を聞くと、お子さんが行きたがって一緒に来たと話してくれて。「行きたい」気持ちがあっても、実際に行くには恥ずかしさとか、移動とか、きっといろんなハードルがある中、自分で意思決定して行動する貴重な姿を見られるのはうれしいですし、やっていて楽しい瞬間でもあります。</p>



<p>列車に乗る為たまたまこの場に遭遇し、乗車まで数分しかなかったのにさっと本を見てくれた方もいました。詩のZINEなど何冊かを短時間で購入してくれ、急いで列車に乗っていかれたのが印象的でした。地元の方の日常に偶然この場がある、その自然な感じがうれしかったです。続けていくことで、新たな出会いも重なっていけばいいですね。</p>



<p>——今感じている課題はありますか？</p>



<p>毎週同じ日時での開催や、一か月間ずっと開催することによってその場やアクションが周囲に認識される、というのは場づくりの鉄則といわれています。アプローチしたい高校生にとっては、「半年に一回変な人がいる」止まりかもしれないのでもっと頻度を上げたいものの、関東の会社に勤めているし、空調がなく夏や冬の開催は難しいのが現実。品揃えももっと増やしたいし、この場所も毎年何かしらアップデートしていきたいので、仲間を増やしていきたいですね。そう思っていたら、少しずついい出会いが生まれているところでもあります。</p>



<p>これだと思って何かをやっていると、それが好きな人が集まったり、一緒にたくらむ仲間と出会えたりするようになって。屋台を共有して出店時だけ使ってみない？とか、コーヒー出してみたいとか、こういうことやりたかったんですと声を掛けてもらうことがあります。それぞれが自分の得意を発揮したり、好きなことやったり、協力したし合ったりできるかもしれないと考え始めているところで、こんな出会いがあるとは想像していなかったですね。なんなら開始前は、誰もこないかもしれないなーなんて思っていました（苦笑）。何か一緒にやりたいという方がいれば、ぜひ声を掛けてもらいたいです。</p>



<p>——どっしり場を構えずとも小さく始め、そこから次の何かが動き出していく予感がしますね。その軽やかさを知っていれば、自分にも何かできるかもしれないと思えてきます。</p>



<p>スタートは簡易的でいいんだと、改めて実証できた感覚もあります。準備に時間は掛けましたが、この空間でぽんとやるだけで人と出会っていく場を作れたのは大きな収穫の一つ。また、敷居が低いので真似しやすいんじゃないかと。学生、転勤で徳島に来た人など、予算を作るのが厳しいから、長期的に携われないからと地域に参入できない人はいると思います。徳島に骨を埋めると言わなくても、ちょっとのスペースでも、趣味の発展でも地域にアクションできる、それを一つ提示できていればうれしいです。</p>



<p>——堤さんは他にも、本棚を背負って歩く「歩く本棚」や知人限定で自宅を私設図書館として解放する「人んち図書館」など本にまつわる活動をされていますね。それぞれの位置づけは？</p>



<p>メインは池谷での無人駅本店で、それ以外は全部副産物です。無人駅本店をやるために本がたっぷりあり、それを運ぶついでに本を背負って歩き始めたら面白がってもらえて、知り合いも増えました。「人んち図書館」も同様に、たくさんある本をただ保管していたらつまらないし、将来的に駅舎をリノベーションしたい野望もあるので、内装施工の練習も兼ねて自宅アパートを図書館風にDIYしました。</p>



<p>——なんだか合理的ですね。無人駅本店含め、共通点はありますか？</p>



<p>あるものを活かして、できることから小さな予算でスタートでき、一度始めれば無理なく継続できることでしょうか。池谷駅でも賃料はお支払いしていますが、大きな予算は必要ありません。これって大事なことですよね。ちゃんと店舗を構えた方が地域にとってもいいのかもしれないけど、初期費用のハードルも、経営の不安もあります。今は失敗してもいい規模感でやってみたり、角度を変えていろいろ試したりできるようにしています。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013362-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2919" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013362-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013362-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013362-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013362-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013362-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013362-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013362-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013362-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="683" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/440932867_1174970177022173_9073653677693237208_n-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-2920" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/440932867_1174970177022173_9073653677693237208_n-1024x683.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/440932867_1174970177022173_9073653677693237208_n-300x200.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/440932867_1174970177022173_9073653677693237208_n-768x512.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/440932867_1174970177022173_9073653677693237208_n-1536x1025.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/440932867_1174970177022173_9073653677693237208_n-600x400.jpg 600w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/440932867_1174970177022173_9073653677693237208_n.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">池谷駅から、畑や田んぼが望む／写真提供：堤さん</figcaption></figure>



<p>——無人駅本店でお客さんが来ない時は、どうしています？</p>



<p>持ってきた椅子に座って、ぼーっとしています。実はこの時間がなかなか良くて。たまに列車が来て、人の乗降があって、列車が発車すれば静かになり、抜ける風が気持ちいい。大学時代に目を向けていた畑や田んぼが線路の向こう側に広がっている、この景色も好きです。一人で過ごしていてもピクニックみたいで、お客さんが来ない時間もいい感じなんです。ひっきりなしにお客さんがきたらうれしい悲鳴ですが、そんなに来られてものんびりできなくて困るのかもしれません（笑）。</p>



<p>無人駅本店を始める前、人に相談すると「無人駅で本って寂しいし、絶対きつくなるよ、やらないほうがいいよ」って言われたこともあったんですが、そもそも列車が好きで、眺めているだけで穏やかな気持ちになります。お客さん来ないなあってぼーっと待っている時間も楽しくて、それは私が列車や駅が好きだから。船が好きな人は港でできるんじゃないかな。たとえお客さんが来なくても、好きな場所だったらいい時間になると思いますよ。<br><br>（協力：四国旅客鉄道株式会社）<br>*</p>



<figure class="wp-block-image size-full is-resized"><img loading="lazy" decoding="async" width="2560" height="1920" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013323-scaled.jpg" alt="" class="wp-image-2921" style="width:838px;height:auto" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013323-scaled.jpg 2560w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013323-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013323-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013323-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013323-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013323-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013323-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013323-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/P1013323-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 2560px) 100vw, 2560px" /></figure>



<p><strong>堤聡</strong><br>1990年、東京都生まれ。関東で会社員として働く傍ら、2023年より徳島県の無人駅「池谷駅」にて年2回、本屋POP UPとして「<a href="https://www.instagram.com/tabitabibooks/">無人駅本店</a>」を開催している。池谷駅近くには祖父が暮らしていて、幼い頃から何度も訪れていた。他にも本棚を背負って歩く「<a href="https://www.instagram.com/aruku_bookshelf/">歩く本棚</a>」、自宅アパートを私設図書館として知人に開く「<a href="https://www.instagram.com/hitonchi_library/">人んち図書館</a>」など、本にまつわる活動を行っている。<br>池谷駅での無人駅本店次回の開催は、2024年11月を予定。詳細決定次第、Instagramにて告知予定です。<a href="https://www.instagram.com/tabitabibooks/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">無人駅本店 Instagram</a></p>



<p>*記事の内容は、掲載時点のものです</p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/tsutsumi/">日常に変な空間を作って、自分の常識を超えてもらう。／堤聡さん（無人駅本店）</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
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			</item>
		<item>
		<title>不便だけど、不幸じゃない。／菰田雅人さん</title>
		<link>https://setouchipress.com/komoda/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小林繭子]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 20 Mar 2024 03:51:23 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[くらす]]></category>
		<category><![CDATA[地域コミュニティ]]></category>
		<category><![CDATA[香川]]></category>
		<category><![CDATA[インタビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>白杖とは、視覚に障がいを持つ人の歩行...</p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/komoda/">不便だけど、不幸じゃない。／菰田雅人さん</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
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<p>白杖とは、視覚に障がいを持つ人の歩行を補助するもの。そう思っていたけれど、調べてみると、視覚障がいであることを周囲にわかってもらうためのシンボルでもあることを知りました。人の情報収集の約8割は、視覚情報によるものだといわれています。視力を失った人がどのように歩き、生活しているのか。白杖を持って歩くのは、どんな日常なのか。誰かの話を通して少しでも理解したいと思い、視覚障がいを持つ菰田（こもだ）さんに話を聞きました。</p>



<p>——菰田さんの目が見えなくなり始めたのは、いつですか？</p>



<p>4年前、2020年2月頃でした。夜、車を運転していたら対向車のライトが異様に眩しいというのが最初やったんかな。眼科では加齢ですよと言われて（苦笑）、当時46歳でした。一ヶ月後、それにしてもおかしいともう一度診察を受け、言われるがまま総合病院でさまざまな検査をするも病名がはっきりせず、医大附属病院へ。そこでやっと病名がわかり、指定難病「レーベル遺伝性視神経症」と診断されました。</p>



<p>僕の場合は両眼1.0ありましたが半年かけて視力がどんどん落ちていき、一年後には0.02まで下がって、現在もそれくらいの視力です。視神経に関わる病気のため、視力矯正では対処できません。そして、この病気の特徴のとおり、視野中央が見えなくなりました。病名がわかった時はどこか楽観的で、まさかこんなにも見えなくなるとは、思ってもいなかったですね。</p>



<p>——どんなふうに見えている状態なのでしょうか？</p>



<p>簡単にいえば、ほとんど見えておらんのです。例えば今、目の前に人が座っていること、白い服を着ていることはなんとなくわかりますが、髪の毛の色や顔の表情などはわかりません。真ん中が欠けているから、ずっと見続けるのが難しいのもあります。視界全体はビニールハウスを通したような感覚で、ぼやーっとしています。室内の蛍光灯くらいなら大丈夫ですが、眩しさに弱く、明るすぎる場所はきつい。一方で、暗すぎる場所は、ほとんど見えなくなってしまいます。視覚障がいといってもちくわを覗いているような「視野狭窄」や片側半分が見えないなど、その見え方は十人十色です。</p>



<p>——日常的に、どんなことに一番困りますか？</p>



<p>何もないって言えたらいいんやけど（苦笑）、すべてに困りますね。一番……うーん、やっぱりトイレかな。外でトイレに行くと、男性用の小便器はなんとなく見えるんですが、個室だと難しい。女性のヘルパーさんとショッピングモールで買い物中にトイレに行きたくなっても、中に入ってもらうわけにもいかんし。トイレットペーパーやウォシュレットの位置、流すボタンがどこにあるのか、センサーなのかレバーなのかもわからないので、トイレはかなり困ります。</p>



<p>仕方ないのでトイレにいる人に「すいませんけど目が見えなくて、ここは流すボタンどこにあるんです？」って聞きますね。立ち上がったら流れるタイプの時はなんやねんって感じで（笑）、これが一番わかりにくいです。流すボタンのつもりが非常用ボタンだったなんてことはあるあるです。そういうことを、場所ごとに覚えてなんとかやっています。</p>



<p>——なるほど。ほとんどの日常動作は視覚に頼っているのだと改めて気づかされますね。半年かけてだんだんと目が見えなくなっていった間のことを、聞いてもいいですか？</p>



<p>最初はとにかく混乱しました。片目の視力ががくんと落ち、もう片方も落ちていき、どんどん見えなくなっていく。勤めていた食品製造の会社にも言わなくちゃいけない、いつなんて言おうか。自分の見え方を説明してもうまく伝わらないし、会社側も初めてのケースでどうしていいのかわからない。そして、自分はできないことだらけになっていき、日常のあらゆることに困るようになりました。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5483-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2778" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5483-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5483-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5483-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5483-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5483-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5483-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5483-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5483-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>例えば、それまで得意でしょっちゅうしていた料理ができなくなった。車の運転ができなくなり、買い物にすら自力で行けない。人の顔がわからなくなり、誰がどこにいるのかもわからない。相手の表情が見えないことで、コミュニケーションが取りにくくもなりました。</p>



<p>仕事では、工場の衛生管理をするにも自分に髪の毛が付着しているのかも、工場内のどこが汚れているのかもわからない。さらに、フォークリフトが頻繁に通るので、目がほとんど見えなくなった私が工場内をうろうろするのは危険だとなって。かといって、これまでのようにパソコン業務もできない。じゃあ、何をすればいいのか。やがて、会社に自分の居場所はなくなっていきました。</p>



<p>会社からは事務をするように言われたけれど、当時は画面読上げソフトの存在も知らなかった。画面を最大に拡大したり、虫眼鏡などを使ってみたりするも、うまくいきませんでした。最後はもう、会社に行ってもただ座っているだけ。非常に辛い状況でしたね。そんな状態が二か月ほど続いた後に会社を休職し、その二年後、2023年3月に退職しました。</p>



<p>——それはどうしていいのかわからず、結果的に二年経った感じでしょうか？</p>



<p>それもあったし、現実を受け入れられなかったのもありました。もしかしたら目が良くなるんじゃないかと淡い期待を抱いたり。でも、そんな奇跡は起こらなかった。休職中、最初の一年はふさぎ込んで、うじうじしていました。なんで自分だけが、って悲劇のヒロインじゃないけど。簡単な家事をするくらいで、ほとんど何もせず、浴びるように酒を飲んでいましたね。</p>



<p>——菰田さんの目が見えなくなっていく中、ご家族の反応は？</p>



<p>子どもたちは幸い、独立した後でした。妻は、「目が悪いからってなんでもしてもらったらええわけじゃない。全盲で一人暮らしをする人もいるんやで。自分でできることは増やしていかないかんよ」って言う人で。長く福祉の仕事に携わり、視覚障がいを持つ人がどうやって生きているのかを知っていたんです。厳しいのかもしれませんが、そのおかげでできるだけ自分でやろうと思えるようになりました。もちろん、妻や周りの人、自治体のサポートなどに助けられながらですが。</p>



<p>——菰田さんは朗らかで、冗談も言うし、話しているとふさぎ込んでいた姿が想像つかないほどです。前向きになったのは、何かきっかけがあったのでしょうか。</p>



<p>いろんなことが蓄積して、時間をかけて自分の病気を受け入れ、前向きになっていきましたね。一番は、「みとよ視覚障がい者支援センターひかり」（以下「ひかり」）での人との出会いが大きかったです。といっても、最初の頃は、定例会にちょっと出てすぐ帰っていました。当時は自分の状況に対してまだ前向きじゃなかったし、言葉は悪いですが、目の見えない人たちで集まって慰め合うのか、なんて捻くれてもいました。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="686" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5556-1024x686.jpg" alt="" class="wp-image-2779" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5556-1024x686.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5556-300x201.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5556-768x515.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5556-1536x1030.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5556-2048x1373.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5556-600x402.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>でも、そんな場所じゃなかったんですね。視覚障がいを持つ人のQOL向上を掲げ、必要な情報共有をしたり、目が見えない状況をどう捉え、どのように困りごとを解消しているのかを会話したりと、前向きな場だったんです。</p>



<p>そのうち、会の最後までいるようになり、みなさんともいろいろ話すようになって。同じ悩みを抱えた人たちと話すことで、自分もできることからやってみようと思えるようになりました。会長の上村さんはほんまにすごいんですよ。親と同年代で、目がほとんど見えないそうですがパソコンをカチャカチャ自在に操作して、大好きな阪神タイガースを応援しに毎年甲子園まで行って。すごいバイタリティのお爺ちゃんやなぁと。</p>



<p>上村さんは「80の爺さんがこれだけやっているんやから、若いもんは目が見えなくてもしっかりせぇ。視覚障がいがあっても社会参加せないかん」と言ってくれる人。うじうじしとる場合ちゃうなと力をもらいました。そして、「ひかり」でいろんな制度や自治体の支援、白杖や便利なツール、やり方などを知ることで、自分にできることが増えていく喜びもありました。そうやって前向きになっていきましたね。僕の身体そのものは健康ですし、相変わらず不便だけど、不幸ではないと思うようにしています。今では運営の一人として、毎月「ひかり」に参加しています。</p>



<p>——「ひかり」で菰田さんが今意識していることはありますか？</p>



<p>最初はどんな人がいるのか、何をみんなで話すのかなど不安や警戒心のある方もいると思うので、極力明るく声を掛けるようにしています。「自販機で缶コーヒーを買うつもりがコーンポタージュやった」なんて失敗談を冗談めかして話したり。何に困っているのかを聞いたら、僕はこう対処しているよとか、ちょっとした雑談もします。話してみないと、お互いどんな見え方なのかわからないですしね。</p>



<p>白杖について何も知らない人も多いし、持たない選択をしている人もいるので、自分が使ってみてどう感じているのかや知っている情報は話すようにしています。「ひかり」には三豊市の福祉課の人も参加しているので、いろいろと教えてもらえますよ。</p>



<p>僕もそうやったけど、みんな何かに困っていても、どこに何を聞いたらいいのかわからないんですよ。視覚障がい者は移動障がいと情報障がいを併せ持っているんです。情報がどこかに掲示されていても、見えないから知ることができない。こういう集まりに参加すれば、いろんな情報や制度などを知ることができます。そして、孤独から解放されもします。</p>



<figure class="wp-block-image size-large is-resized"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="765" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5525-1024x765.jpg" alt="" class="wp-image-2780" style="width:840px;height:auto" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5525-1024x765.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5525-300x224.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5525-768x574.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5525-1536x1147.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5525-2048x1530.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5525-600x448.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">音声で知らせる腕時計を活用。アラーム機能も。</figcaption></figure>



<p>仕事や生活、必要最低限のことだけができればいいわけじゃない。みんなで集まり、ああでもないこうでもないと悩みを相談し合い、一緒に外に出て、新しいことにも参加していく。そのなかで僕自身、「あん摩マッサージ指圧師を目指す」という次の目標ができ、国家試験を目指して盲学校で勉強中です。</p>



<p>——そうだったんですね。どういった経緯でその目標ができたのでしょうか。</p>



<p>会社を休職し、これからどうするのか見えてなかったのもあり、「ひかり」に集まる人たちにどんな仕事をしているのかをよく聞いていました。すると、圧倒的にマッサージの仕事が多かったんです。やったこともない仕事をゼロからやることに、最初は抵抗がありました。でも、もともと人体の構造に興味はあったし、手に職をつけるにはいいんじゃないかと思うようになって。県内外の盲学校をいくつか見学して、松山の学校に決めました。平日は寄宿舎で生活し、週末は香川に帰ってきています。</p>



<p>——土地勘のない場所での生活は、大変ではないですか？</p>



<p>そうでもないですね。食事は三食出ますし、寮は一人部屋で快適です。そして、パソコン操作や歩行の練習などができる「自立活動」を活用して、できることを増やしています。歩行練習では自分が覚えたい道のりに歩行訓練士が付き添ってくれ、白杖を使いながら行き方を覚えていきます。メモは取れないし、一回では覚えられないので三回は練習します。そうして道を覚えたら、白杖を持って一人で買い物に行けるようになります。</p>



<p>――行きたい場所に行けるようになるまで、時間がかかるんですね。知らない道は、どのように覚えるのですか？</p>



<p>音声信号機があればそれを頼りにします。あとは、点字ブロックに沿って歩くと格子状の蓋「グレーチング」があるので、何個目のグレーチングを左、といった感じで頭の中に目印を作って覚えていきます。歩く際は記憶を頼りにしつつ、白杖を使って道の状況や段差、目印を把握し、エンジン音など耳からの情報も活用します。</p>



<p>——白杖を持つことに、抵抗はありませんでしたか？</p>



<p>最初はかっこ悪いというか、目が悪いことを宣伝しながら歩くようだと、抵抗がありました。人からどう思われるのかも気になりますし。でも、周りの人にわかってもらう必要に迫られたら、そんなこと言ってられんのです。危ないですから。白杖を持たずに人ごみを歩いたら、人にぶつかってしまいます。白杖を持っていたら周囲の人が避けてくれたり、点字ブロックの周辺を空けてくれたりと、配慮してもらえるようになりました。私にとって白杖は、シンボルという意義が大きいです。</p>



<p>白杖を持っていることで店員さんや通りすがりの人から、「何かお手伝いすることはありませんか？」「大丈夫ですか？」と声を掛けてもらうことが最近よくあります。これ、本当にうれしいんです。CMやドラマなどによって白杖の認知がより進んでいると感じています。</p>



<p>——確かに、遠くからでも一目瞭然なので、何か困ってないかな？と、声を掛けやすいです。白杖の使い方は、どうやって覚えたのですか？</p>



<p>自己流で使いながら覚えつつ、歩行訓練士に自宅まで来てもらい、3時間ほど歩行訓練を行いました。杖の振り方、近所に多い側溝の探し方、補助の方がいるときはどこに掴まってどう歩くのかなどを指導してもらいました。あとは自分で応用していく感じです。僕はぼやっとわずかに見えている状態なので、大事なのは段差の確認。唐突な段差や溝、階段には特に気を付けています。車止めは思いっきり足をひっかけて転んでしまうので、本当に怖いです。歩行訓練は自治体のサポートにより無償で受けることができます。香川県には歩行訓練士が一人だけなので、日程調整が少し大変でしたね。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5509-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2781" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5509-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5509-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5509-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5509-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5509-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5509-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5509-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5509-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>——白杖を持っている人を見かけたら、どのようにするのがいいのでしょうか。</p>



<p>もし余裕があったら、「何かお困りですか」、「お手伝いすることありませんか」と一声かけてもらうことでしょうか。嫌がる人もいるかもしれませんが、僕はうれしいですね。</p>



<p>——声を掛けるときに、どうしたら驚かせないか考えてしまいます。気を付けた方がいいことってありますか？</p>



<p>いきなり後ろから声かけられたら驚くこともあるので、横から、そっと。肩を優しく「ポンポン」と叩いてもらうのもいいかもしれません。誘導するときには自分の腕を掴んでもらうのがいいのか、左右どちら側に立つのが良いのかなど、相手に聞くのがいいと思います。僕はお喋りが好きなんで、誘導中の世間話も歓迎です（笑）。</p>



<p>——以前、人の多い交差点で白杖に気づいてお声がけしたら、信号を渡ってカフェに行きたいとのことで付き添ったことがあります。何かできることがあるかもしれない、困っているかもしれないと思っても、やっぱり声を掛けるのはとても緊張しました。歩いている間、どうしたら方角がわかるのかなと聞いてみたら、「喋ってくれたらそれで方角がわかるから、少し前を喋りながら歩いてほしい」と教えてもらって、「これくらいの速度でいいですか？」と確認しながら、一緒に歩いた経験を思い出しました。</p>



<p>きっとうれしかったと思います。周りの人が気に掛け、声を掛けることで障がいを持つ人も外に出やすくなるし、いろんなことに参加できるようになるんちゃうかな。僕もそうでしたが、どうしても家にこもりっきりになってしまうんですよね。怖いとか、家におった方が安全って気持ちはわかる。でも、今は行政の支援やいろんなデバイス、ツールがあります。障がいがあっても街に出られ、自分のしたいことが全部じゃなくても、一部叶う時代になっていることをあらゆる人に知ってもらいたいです。</p>



<p>白杖にしたって、知らない人はまだまだいるのが現状です。僕は白杖をあえて持っているし、オーバーアクションで歩いて、自然と見れば伝わるように意識しています。それは安全のためが第一ですが、「こういう人がいるんだよ」とアピールする気持ちもある。だからこそ極力外に出るようにしています。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="801" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5553-1024x801.jpg" alt="" class="wp-image-2782" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5553-1024x801.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5553-300x235.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5553-768x601.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5553-1536x1202.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5553-2048x1602.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5553-600x469.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">この駅も、菰田さんは一人で利用する</figcaption></figure>



<p>——菰田さんが日々どんなふうに暮らしているのか、細かなことをもう少し詳しくお聞きしたいです。</p>



<p>移動については、練習して道を覚えれば白杖を持って自力で移動することができます。よく行く場所であれば、一人で公共交通機関を利用しています。タクシーを使うこともありますね。頼れるものには頼っていて、自治体の移動援護「同行支援」を利用し、病院やショッピングセンターまでヘルパーさんと移動することもあります。必要な時に依頼していますが、結果的に結構な頻度になっています。</p>



<p>これも最初は知らなくて、「ひかり」で教えてもらったことの一つです。生活に関することを援護する「居宅介護」を利用し、部屋の掃除などの家事をヘルパーさんと一緒にすることもあります。とても助けられていますね。自治体の援護は各人に合わせた利用時間の上限があり、今は平日松山にいるのもあって必要頻度が落ち着いていますが、香川に住んでいた時は規定時間を超えるからここまでだ、という感じはありました。</p>



<p>——家族ではなく、ヘルパーに頼る心理的なハードルはありませんでしたか？</p>



<p>最初はありましたね。トイレの場所を聞くのも恥ずかしいですし。でも、そうも言っておれんのです。妻も仕事があるので付きっきりは難しいし、必要に迫られたらしょうがない。ヘルパーさんの予約なども、自分でやっています。</p>



<p>——どのようにやりとりしているのですか？</p>



<p>LINEやメール、電話など、スマホで連絡しています。スマホでは読み上げ機能や音声操作を活用しています。iPadは携帯型拡大読書器を使って大きく拡大した文字を至近距離で確認し、今のところはなんとか自分の目で見て、キーボード入力もしています。でも、目がとても疲れてしまうんです。液晶画面は見やすくなるよう色調整していて、僕のように眩しさが苦手な人は黒背景にグレーっぽい白文字に設定することが多いです。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_3042-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2784" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_3042-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_3042-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_3042-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_3042-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_3042-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_3042-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_3042-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_3042-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">携帯型拡大読書器でスマホの文字を拡大し、至近距離で確認する</figcaption></figure>



<p>——買い物時の会計は、どうしているのですか？</p>



<p>最近増えたセルフレジは操作が難しいので、ヘルパーさんを信用して支払いを任せています。非セルフレジでは自分でお金を渡します。いくら持っているのか把握しているので、目の前にお金を持ってきて至近距離で確認して。それでも見間違うことがあるので、お店の人を信用して頼ってお釣りをもらう、という状況です。</p>



<p>——白杖を持っていたら、手がふさがってしまうのではないでしょうか。</p>



<p>そうならないよう、いろんな工夫をしています。荷物はリュックに入れて両手が空くようにして、白杖はクリップを服の前部分や上着につけることもあります。傘を持っていたら両手がふさがって不便ですが、しょうがないし、なんとかなっています。</p>



<p>——一人で買い物に行くときは、欲しい商品をどのように見つけていますか？</p>



<p>お店の人に「目が悪いんで、買い物手伝ってくれへんやろか」とお願いしています。すると大体快諾してくれて、カゴを持って付き添ってくれます。間違えて、お客さんやったこともあるけど（苦笑）。お弁当の種類や新商品について聞くこともあるけど、忙しそうなときは欲しいものだけぱっと買う感じです。いろんなものを見てそこから選ぶ、という買い物とは少し違いますね。</p>



<p>——新しい場所に行くとき、怖くはないのでしょうか。</p>



<p>今はそうでもないですね。最初こそ人を頼れなかったですが、営業職の経験があったし、口八丁手八丁じゃないけど（笑）、「この場所、どこにあるんかな」って近くにいる人に聞けるようになりました。でも、誰もがそうではないと思います。聞きたいと思っても最初はなかなか話しかけらなかったし、ふさぎ込んでいるときは、人を頼るのはかっこ悪い、嫌だと思っていましたね。だって、鏡を見たって自分の顔や髪がどうなっているのかもわからないし、服の汚れや乱れもわからない。今は吹っ切れていますが、自分が変じゃないか気になって、最初の頃は外に出るのも嫌でした。</p>



<p>——見えない相手、よくわからない人を頼る、信用するのって、勇気がいることですよね。</p>



<p>そうですね。慣れるのには時間がかかりました。今の目の状態になってから、一年くらいかかったかな。たまに、冷たくあしらわれたことも、めんどくさそうにされたことだってあります。僕がどの程度目が見えないのか想像つかず、「あそこにあります」って指差して終わることもあった。でも、そういう時は「目が悪いので、一緒に探してもらえますか」とお願いするしかない。そうやって伝われば、サポートしてもらえます。たまにカチンとくるようなことだってありますよ。でも、しょうがないんです、こうなってしまったら。配慮してもらうしか生きていく道はない。自分も50になって、丸くなったしね（笑）。</p>



<p>——今の暮らしは、どのように生計を立てているのでしょうか。</p>



<p>僕個人でいうと、休職以降、今も収入はゼロです。盲学校は国からの補助があり、世帯所得によって負担額が変わります。妻は働いていて、私は障害年金をいただいています。幸いだったのは、子どもが就職していたことですね。</p>



<p>——今でも、後ろ向きな気持ちになることはありますか。</p>



<p>ゼロではないです。一人っきりになった時にはどうしても……。考えないようにしているけれど、今よりもっと見えなくなったら、もし全盲になったらとか。でも、なったらなったでなんとかできるわ、と思うようにしています。</p>



<p>困ることはたくさんあるんですけど、今の自分でどう生きるのかを考えるようにしています。なんでも捉え方次第。例えば、目が見えなくなったことで、僕は「ひかり」の人たちと出会えました。そんな人との出会いによって、新しい自分の居場所ができ、次の目標もできた。今はいい方向に進んでいるんちゃうかな。そういうものの見方をすることで、視覚障がいをちょっとでも受け入れられるようになる。ときには後ろ向きになったっていい。きっとまた、前を向けますから。</p>



<p></p>



<figure class="wp-block-image size-large is-resized is-style-default"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="748" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5530-1-1024x748.jpg" alt="" class="wp-image-2785" style="width:512px" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5530-1-1024x748.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5530-1-300x219.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5530-1-768x561.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5530-1-1536x1122.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5530-1-2048x1496.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_5530-1-600x438.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p><strong>菰田雅人</strong><br>1974年香川県生まれ。調理師を経て食品加工会社に17年勤めていたが、中途視覚障がいとなり、退職。現在はあん摩マッサージ指圧師を目指し、盲学校で勉強に励む。学校では生理学、解剖学を学ぶかたわら、フロアバレーボール、サウンドテーブルテニスなどのスポーツも楽しみ、学生生活を満喫している。「みとよ視覚障がい者支援センターひかり」役員、香川県網膜色素変性症協会会員。</p>



<p><strong>みとよ視覚障がい者支援センターひかり</strong><br>目の見えない方や見えにくい方、そのご家族を対象にした支援活動、支援者として活動したい方に向けたサポートを行っている（原則、香川県三豊市内に住民票のある方が対象）。スマートフォンやタブレット端末などの使い方を学ぶICTセミナー、視覚補助具や福祉制度に関する情報提供、相談受付などを行っており、毎月交流会を開催している。<br>◆交流会：原則毎月第4土曜日13:30～15:30に<a href="https://maps.app.goo.gl/YnnKCizbcKYpR9vh7" target="_blank" rel="noreferrer noopener">みとよ未来創造館</a>にて実施。参加無料、要事前申し込み（事務局：090-6902-8621／受付：月～金9:00～12:00）。日程が変わることもあるので、必ずご確認・お申し込みの上ご参加ください。</p>



<p>*記事の内容は、掲載時点のものです</p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/komoda/">不便だけど、不幸じゃない。／菰田雅人さん</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
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			</item>
		<item>
		<title>この姿は、僕の怒りの表現／まひろさん（研究職・ドラマー）</title>
		<link>https://setouchipress.com/mahiro/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小林繭子]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 20 Jun 2023 04:33:09 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[くらす]]></category>
		<category><![CDATA[LGBTQ]]></category>
		<category><![CDATA[表現]]></category>
		<category><![CDATA[香川]]></category>
		<category><![CDATA[インタビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>まひろさんを見つけたのは、SNS。投...</p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/mahiro/">この姿は、僕の怒りの表現／まひろさん（研究職・ドラマー）</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
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										<content:encoded><![CDATA[
<p>まひろさんを見つけたのは、SNS。投稿されていた写真の長い髪やメイクから、何も考えずに女性だと思っていたけれど、投稿をよく読むと男性であることに気づいた。自分の先入観を恥じつつ、髪を伸ばしてメイクをする理由を聞いてみると、性差別やルッキズムへの批判、アライ（LGBTQの人たちを理解し、支援する人）であることを示すための表現であり、その思想はパンクからきているのだという。詳しく話を聞いてみた。（取材・ライティング／小林繭子）</p>



<p>*</p>



<p>——性差別・ルッキズムへの批判姿勢とアライであること、それぞれにきっかけがあるのでしょうか？</p>



<p>性差については、子どもの頃からずっと違和感を持っていました。当時、妹は「女の子はあぐらをかいちゃいけない」、僕は「男だからこうあるべき」などと祖父母から言われることがしょっちゅうありました。小学校でも「男のくせに吹奏楽部」なんて同級生から言われることがあり、子ども心に「男と女の違いってなに？」「どうして性別であるべき姿が変わるのだろう」と疑問を持っていました。</p>



<p>ルッキズムへの批判が芽生えたのは、大学生になってライブハウスに出入りするようになった頃でした。友人から「ライブハウスって派手な人が多い、危ないんじゃないの」と言われることや、タトゥーを入れた仲間を通して偏見を目の当たりにすることがあり、見た目で人柄を決めるのはなぜだろうと違和感を持つようになりました。</p>



<p>大学生になって髪を染めたら、祖父母から「そんなチャラチャラして」と言われたこともありました。外見が人に与える印象があることは理解していますが、「チャラチャラ」って内面で使う言葉だと僕は思っていて。自分のことをよく知っているはずの家族に言われると、どうして外見のことで内面まで言及されるのだろうと、怒りに近い気持ちがありました。</p>



<p>アライであろうと意識するようになったのは、比較的大人になってからです。自分の身近でなにかがあったというよりは、メディアを通してLGBTQの方たちが抱えている課題を知り、自分はアライでいたいと思うようになりました。なにより、誰かを好きになることは他人にとやかく言われることではないはずです。具体的になにかアクションをするというよりは、一人ひとりの在り方に寄り添える人でありたいです。</p>



<p>——ずっと持っていた思いを髪型やメイク、ファッションで表現するようになったきっかけは？</p>



<p>パンクとの出会いです。パンクは音楽のジャンル名でもありますが、精神性を示す言葉であり、いろいろな解釈があります。僕の理解は「DIY精神」や「自治行為」、つまり自分たちの生きやすい、幸せでいられる環境を自分たちで作るという考えです。例えば、災害時に寄付をすることや炊き出しに行くこともパンクだし、政治に対する反骨精神やデモもパンクです。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4052-1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2551" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4052-1-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4052-1-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4052-1-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4052-1-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4052-1-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4052-1-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4052-1-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4052-1-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>パンク文化を理解した上で性差別やマイノリティであるという理由で苦しんでいる人たちを見ると、いてもたってもいられなくなり、何か意志を表現したいと考えるようになりました。そうしてたどり着いたのが今の僕の姿——長い髪、メイク、それに合わせたファッションです。</p>



<p>——そうだったんですね。まひろさんがパンク精神を知ったのは？</p>



<p>ミュージシャンたちの活動や言葉を通してですね。彼らの表現は音楽やライブのMC以外にも、ZINEの発行、投げ銭制で音楽をオンライン販売して世界中から寄付を集めるなど、さまざまな活動があります。バンド「<a href="http://gezan.net/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">ＧＥＺＡＮ</a>」のライブMCで聞いた「パンクは自分と隣にいる人が幸せになるための自治行為だ」という表現が、僕にとっては一番しっくりきています。</p>



<p>——まひろさんのスタンスが長い髪やメイク、ファッションなどに昇華されたのは、どうしてでしょうか？</p>



<p>一番強く、長く感じてきた違和感は性差別だったので、あえて中性的な見た目にしようと思ったんです。そうして伸ばし始めた髪がいい感じに長くなったのは、大学3年生の頃でした。その髪型に合わせつつ、中性的な見た目をイメージしてメイクやファッションが後からついてきたという形です。</p>



<p>——最初、周りの反応はどんな感じでしたか？</p>



<p>「どうしたの？」「かわいくなったね」とさまざまな反応がありましたが、「女の子みたいだね」と言われた時は、そりゃそうだし、批判するつもりはないけれど、自分が闘いたいのはこういう発想だと思いました。見た目でどういう人かを判断しない世の中や、男性・女性だけではない世界になればいいと思っています。</p>



<p>——髪を伸ばしてメイクをする意図を、当初から人に話していましたか？</p>



<p>その頃は伝えてなかったので、周りの人はただのファッションだと理解していたと思います。説明するのもやぼだと思っていたし、迷いというか……自分の意志とはまた別に、この形が本当に正しいのか自問自答していたのもありました。</p>



<p>——それを言語化したり、SNSで発信したりするようになったのは？</p>



<p>社会人になった2019年からです。会社では一個性として今のスタイルを認めてもらっていますが、知人から「社会人としてその恰好はどうなの」と言われることや、心の性が女性だと勘違いされることも依然としてあって。実際にそういう体験をすると、こんな世の中——見た目で人を判断したり、固定概念に人を押し込めようとしたりするから人がありのままでいられないんじゃないか、自分を覆い隠している人がいるんじゃないか、でもそれは違う、と強い気持ちが生まれました。そこから、言葉にして発信しようと変わっていきました。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="837" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4082-3-1024x837.jpg" alt="" class="wp-image-2552" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4082-3-1024x837.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4082-3-300x245.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4082-3-768x628.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4082-3-1536x1256.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4082-3-2048x1674.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4082-3-600x490.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>——言葉で発信するようになって、変化はありましたか？</p>



<p>何か劇的に変化するということはないです。正確に言うと、僕が怒りを表現していること自体が大事で、その時点で完結している、伝わっていようがいなかろうが関係ないと思っていたので、周りがどうなるのかはあまり考えていませんでした。ただ、言葉で発信する前は心ないことを言われることや、ネガティブなリアクションもあったけれど、最近はうれしいことのほうが断然多いです。</p>



<p>——どんなうれしいことがありましたか？</p>



<p>「周りには公表してなかったけれど、バイセクシャルなんだ」とその人のそのままの姿を打ち明けてもらうことや、「まひろさんみたいに声を上げてくれる存在が心の支えになる」と言っていただくこと、「なぜそうやって表現をしているのか」とSNS上で聞かれて意見交換が生まれることなどです。あと、「似合うね」と言われることが増えて、自分の思いがファッションとして不自然ではなく、成立しているのであればうれしいですね。</p>



<p>最初は伝わることを期待していなかったけれど、自分の思いがひとかけらでも伝わっている実感があると素直にうれしいし、思いがけず誰かの支えになるのだなと気づきもありました。</p>



<p>——見た目での表現以外に、普段から積極的にしていることはありますか？</p>



<p>性差別的な発言など、気になることがあったらどうしてその発言をしたのか、問い詰めるのではなく、相手に理由を聞くようにしています。言葉を通すからわかることもありますね。うやむやにされることもあるし、僕の問いによってこの言い方は違ったなって考えてくれる人もいるし、僕自身が新たな気づきをもらうこともあります。</p>



<p>——問いを投げることによって、多少なりとも摩擦が生まれそうですが。</p>



<p>もしそれをきっかけに疎遠になるなら、それまでなのかな……実際には僕の問いに対して考えてくれる人たちに恵まれているので、感謝しています。摩擦も人間関係の一部。それも含めて愛せるのが人間関係なんじゃないでしょうか。摩擦が悪いとは思ってないですね。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4043-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2553" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4043-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4043-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4043-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4043-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4043-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4043-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4043-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4043-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>——大人になってから、祖父母と性差別について会話する機会はありましたか？</p>



<p>ありませんでした。僕の場合は違和感を覚えながら生きてきたけれど、きっと祖父母はそうじゃなかったんじゃないかな。個人差もあるし、家庭環境や世代、社会の変動で考えや視点は違ってきます。僕と祖父母の間にはその違いの幅が大きく広がっているのだと感じているので、相手によってはぶつかることにこだわらなくていいかなと。祖父母とはぶつかるよりも、いろんな人がいることを学ぶ存在として関わっていたいです。</p>



<p>——今の表現を始めてから4年、自分自身の変化はありますか？</p>



<p>「こうだ」と思ったらずっと同じというよりは、考えながら、時に自分を疑いながらやっていて、最近では見た目で印象を持つことが悪でもないなと、少し変化があります。見た目でこういう人だと決めつけてレッテルを貼るのは良くないけれど、なにか印象を持つっていうのは誰しもあることなので、そこに対してまで怒るのは違うなと。以前はそれすらむっとすることもあって（苦笑）。いつも、自分はこうだと思っていたけれど、たまにあれ、違うんじゃないかと思うこともあって……あやふやなのかもしれないけど。</p>



<p>——自分の外と接触しながら「こうかもしれない」と考えていくことをやめないって、すてきですね。他にも変化はありますか？</p>



<p>最初はとにかく怒りが原動力で、性別があるから差別がおこり、苦しむ人がいて、マジョリティとマイノリティが生まれ、マイノリティが虐げられている、だから性別なんていらないと思っていたけれど、今はすべての人が自分の感じている性別を楽しめる世の中になったらいいなと思っています。</p>



<p>——性別を楽しめる世の中とは？</p>



<p>周りから干渉を受けずにその人が自分の好きな状態、そのままで心地良くいられる状態です。そんな願いを込めてずっと髪を伸ばしてきましたが、実は最近、切ってもいいのかなという気持ちも出てきて。髪を伸ばすという形に固執しちゃっているのかな？と思うようになって……。そんなふうに考えてばかりですが、自分の変化も楽しめたらいいですよね。</p>



<p></p>



<p>*</p>



<p></p>



<figure class="wp-block-image size-large is-resized"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/P1211500-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2554" style="width:512px;height:384px" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/P1211500-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/P1211500-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/P1211500-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/P1211500-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/P1211500-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/P1211500-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/P1211500-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/P1211500-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p><strong>まひろ</strong><br>1994年徳島県生まれ。高校までを徳島で過ごし、岡山の大学へ進学し生化学を学んだ後、会社員として研究職に就く。大学生の頃からカメラとバンドを始め、言葉を綴る。空き時間ができれば、生活のにおいを見つめに散歩に出る。現在は二つのバンド<a href="https://www.tunecore.co.jp/artists?id=591561" target="_blank" rel="noreferrer noopener">alligator 13 foot</a>と<a href="https://deservetodie.bandcamp.com/album/s-t-limited-ver" target="_blank" rel="noreferrer noopener">DESERVE TO DIE</a>でドラムを担当。<br><a href="https://www.instagram.com/masahiro.mahiro/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">Instagram（メイン）</a><br><a href="https://www.instagram.com/my.own.reality/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">Instagram（フィルム写真）</a><br><a href="https://www.tumblr.com/ihatetheflowoftime" target="_blank" rel="noreferrer noopener">https://www.tumblr.com/ihatetheflowoftime</a></p>



<p></p>



<figure class="wp-block-gallery has-nested-images columns-default is-cropped wp-block-gallery-1 is-layout-flex wp-block-gallery-is-layout-flex">
<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="841" data-id="2556" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4061-1024x841.jpg" alt="" class="wp-image-2556" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4061-1024x841.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4061-300x246.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4061-768x630.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4061-1536x1261.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4061-2048x1681.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4061-600x493.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="698" data-id="2555" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4024-1024x698.jpg" alt="" class="wp-image-2555" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4024-1024x698.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4024-300x204.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4024-768x523.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4024-1536x1047.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4024-2048x1396.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4024-600x409.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>
</figure>



<p><strong>燦庫-SANKO-（撮影協力）</strong><br>イベントスペースを備えたカフェバー。ライブ、ポップアップショップ、ギャラリーと多面的に活用できる場として幅広いイベントが開催され、日々音楽、飲食、文化、人が交わる。不定期での夜カフェ営業も（<a href="https://www.instagram.com/sanko.takamatsu/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">Instagram</a>にて告知）。姉妹店のライブハウス<a href="http://impulse-records.main.jp/toonice/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">TOONICE</a>と共に、まひろさんの思い入れのある場所の一つ。ことでん瓦町駅から徒歩6分。<br><a href="https://goo.gl/maps/YncCoA5cFNJTQ7oq8" target="_blank" rel="noreferrer noopener">香川県高松市亀井町8−8 2階</a><br><a href="https://www.instagram.com/sanko.takamatsu/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">Instagram</a>、<a href="https://san-ko.site/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">https://san-ko.site</a></p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/mahiro/">この姿は、僕の怒りの表現／まひろさん（研究職・ドラマー）</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
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			</item>
		<item>
		<title>踊りが私を伝えてくれる／廣瀬桜子さん（大学生・ダンサー）</title>
		<link>https://setouchipress.com/hirose/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小林繭子]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 24 Mar 2023 08:16:15 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[くらす]]></category>
		<category><![CDATA[表現]]></category>
		<category><![CDATA[香川]]></category>
		<category><![CDATA[インタビュー]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://setouchipress.com/?p=2432</guid>

					<description><![CDATA[<p>この春大学を卒業し、就職を控えている...</p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/hirose/">踊りが私を伝えてくれる／廣瀬桜子さん（大学生・ダンサー）</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
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<p>この春大学を卒業し、就職を控えている廣瀬さんとは、2022年にダンスの舞台で共演しました。踊りで自分を放ち輝く姿、感受性の豊かさによる迷い、もがきながらも大切なものを見つめて進んでいく強さ。そんな廣瀬さんの多面性の奥にどんな思いがあるのか、また、今の彼女がどんなことを語るのかを知りたくて、話を聞いてみました。（取材・ライティング／小林繭子）</p>



<p>*</p>



<p>——ダンスを始めたのは？</p>



<p>大学1年目の夏休みです。2年生になったら、大学で演劇・インプロ（即興劇）・コンテンポラリーダンスの授業を受けることができるので、「2年次に何を選択しようか」と考えていたら、大学でコンテンポラリーダンスのワークショップ参加募集があったんです。</p>



<p>海外講師の方から教えてもらえるなんて二度とないかもしれない、未経験だけどやってみたい、先輩や同期、教授に私を知って覚えてもらいたい、そういったさまざまな思いから、勇気を出して参加を決めました。コンテンポラリーダンスは、亀梨和也さんがドラマで踊っていたのを見て、憧れと興味を持っていました。</p>



<p>ワークショップは2週間毎日行われ、先輩たちと朝から夕方までダンス漬けの日々。人を持ち上げたり、支えたりと誰かと交わりながらダンスを学ぶ時間で、人の重さや熱、肌の感覚などを体感する不思議な経験の連続でした。</p>



<p>最初は、踊るといってもどんな動きをすればいいのかわからなくて、HIPHOPを踊る人、わーっと子供っぽい動きをする人、なにか模索している人など、周りをよく見ながら盗むことに必死でした。踊ろうとばかりしていたのですが、ある時先輩が上半身裸になって表現しはじめたのを見て、もっと自由にやればいいんだと気づいて。</p>



<p>固定概念を超えて身体を動かし始めたら、今まで感じていたストレスや情熱を自然と表現に変換できている感覚があって、自分ってこんな感じなんだと驚いたことを覚えています。その時の楽しさや興奮が忘れられなくて、ダンスにはまっていきました。</p>



<p>でも、当時ダンスの授業を継続的に受講できるのは2年生からで、それまでは一旦ブランクがありました。2年生になると、授業で週に4日もダンスができて、どんどん夢中になっていきました。最初は自分の抱えているものや感情を出したいと必死にやっていましたが、一年も経つと、私って同じ動きが多いなと気づきも出てきて、このままじゃだめだと焦ることもありました。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2259-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2434" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2259-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2259-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2259-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2259-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2259-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2259-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2259-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2259-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>——どうやってその状況を打破しましたか？</p>



<p>いろんな動画を参考にしながら、自分なりの身体の動かし方を模索しました。身体だけじゃなくてもっと顔を使ってみよう、床ではなく高い空に向けて動こう、背中で表現してみよう、そうやって試行錯誤して、だんだんと自分らしさが出せるようになりました。</p>



<p>その頃はまだ恥ずかしさが拭えなかったり、きれいに動きたい気持ちが一番に出ていたと思います。でも、時間の経過と共にきれいに動けているなかでなにか壊したいとか、ちょっと乱暴さを感じさせるような大きな動きをしたいという欲求が膨らんでいきました。ただただ踊りたくて、ダンスのことばかり考えていましたね。</p>



<p>3年生になると後輩の見本にならなくちゃという気概も出てきて、自分ができているかどうかに敏感になっていきました。でも、「できている」という感覚は、慣れが出てきたり、一度できたことをなぞっているだけになったりと、自己嫌悪になることも多々あって……。</p>



<p>——一度できたことを新鮮な表現で再現するのって、なかなか難しいですよね。学内の公演や映像作品へも出演もされていますが、特に印象的だったことは？</p>



<p>映像作品「<a href="https://youtu.be/UqDJqLoCYTw" target="_blank" rel="noreferrer noopener">solos</a>」で、11月の冷たい土砂降りと強風の中、薄着で噴水に入って踊ったことです。足先の感覚もなくなるような過酷な環境で出し切ろうしていたら、自分の限界を一つ超えたというか、自分の中の鍵のかかった扉を開けられたような感覚がありました。</p>



<p>——その時までかかっていた鍵は、何だと思いますか？</p>



<p>「人に嫌われたくない」かな……だから、勉強が苦手なこと、自己愛、性的嗜好や自分勝手さ、人への依存性は普段、隠しています。自分の弱い部分を出すと舐められるんじゃないかっていう不安もあります。だから、信頼した一握りの人以外には自分のことはあまり言わないし、出さないようにしています。あの時、人からどう見えるのかという自意識を一つ乗り越えて、自分を解放できたような感覚がありました。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2229-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2435" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2229-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2229-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2229-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2229-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2229-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2229-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2229-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2229-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>——踊っているときは、いつも自分らしくいられている？</p>



<p>自分らしいとは思うけど、それが全てではないですね。どうしても恥じらいがあるときや、お客さんの目線を意識しちゃっている部分はあるし。そういうものが外れない限り、自分はプロにはなれないと思いつつ、好きという気持ちだけでダンスは続けていきたいです。観てくれた人が楽しいとか、なにか共感して楽になったとか、それだけでも私はうれしいです。</p>



<p>——ダンスをしていて嫌になったことは？</p>



<p>ないですね。ダンスの先生が「その動き、面白い」っていつも肯定してくれたお陰だと思います。厳しく言われると「私はだめなんだ」って落ち込んじゃう。私は認めてもらえた、この感じで動いていいんだっていう安心感の中で前に進めるのだと思います。大学では、まずは受け入れてくれて、その上でアドバイスをくれるすばらしい先生に恵まれました。</p>



<p>ダンスを続けてきたのは、単純にやりたいっていうのもあるけど、自分自身を周りに受け入れてほしかったからでもあります。私にはこんな部分もあるよ、私のことを知ってほしい、という欲求ですね。「陰キャ」よりは「陽キャ」が好かれる世の中だと勝手に思っていますが（苦笑）、私みたいに暗い人間もいるし、そんな私も受け入れてほしいなと。</p>



<p>その場に合わせてテンションを上げることだってできるけど、自分を偽り続けることはできないし、いずれ自分が壊れてしまう。自分の一面を正直に出せる場が私には必要で、その手段が踊ることだったのかもしれません。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2245-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2436" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2245-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2245-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2245-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2245-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2245-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2245-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2245-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2245-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>——自分に自信はある？</p>



<p>うーん、調子に乗らないようにはしています（笑）。周りの人にもっと自信を持て、調子に乗るくらいでいい、なんてよく言われますが、これまでの経験上、天狗になると人間関係がうまくいかなくなるなど、なにかが崩れるんです。でも、自信がなさ過ぎてもなにもできないので……バランスって難しいですね。自信を意識的に少し盛って、でも謙虚さや誠実さも一緒に抱えて歩いていく、っていう感じでやっていきたいです。これから仕事でも、プライベートでも、ダンスでも。</p>



<p>でも、最近になって、少しずつ自信が持てるようになってきました。褒めてくれる人が増えたからかもしれません。自己を客観視しているつもりでも、人と会話してみると、自分はネガティブなことばかり想像しているんだと気づかされることが多いです。それいいねって言ってくれる人のお陰で、ポジティブな気持ちで自分と向き合えるようになりました。</p>



<p>昨年、瀬戸内国際芸術祭2022で「<a href="https://setouchi-artfest.jp/event/detail489.html" target="_blank" rel="noreferrer noopener">Come and Go　ひびのこづえ×島地保武×小野龍一×OGIJIMA</a>」に出演したことも大きかったです。初対面の方に「ファンになりました」と言われたり、男木島の子どもと仲良くなったり、いろんな人に声を掛けてもらって、自分がそのまま認められていると感じられました。</p>



<p>——この公演を経て、なにか変化はありましたか？</p>



<p>きれいに動くことがすべてじゃない、もっといろんな表現があることを改めて学べました。リハーサルではきれいな線を意識して踊っていたけれど「桜子さんはリスっぽいから、リスっぽい動きをしてみて」と、全然違うところからボールが飛んできたことがあって（笑）。動物的な擬態がダンスになるっていうのも面白くて、自由な表現の幅が広がりました。</p>



<p>——もっと踊りたくなったのでは？</p>



<p>それはあるけど、これからのことを考えると、ダンスはできる範囲でやれたらなっていうのが正直なところです。4月からの就職を踏まえて、ダンスは一区切りつけたというのもあります。今後は無理のない範囲で自由に踊ったり、表現できたらいいかな。ダンスを通して自分が築いてきた感性、観察眼、表現すること、伝えること——そういったことは、日々誰かと接するときにも活きてくるはず。ダンスは私の一部で、これからも私と共に生きていくんじゃないかと思います。</p>



<figure class="wp-block-image size-large is-resized"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2225-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2437" style="width:512px;height:384px" width="512" height="384" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2225-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2225-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2225-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2225-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2225-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2225-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2225-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_2225-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 512px) 100vw, 512px" /></figure>



<p><strong>廣瀬桜子</strong><br>2002年、香川県高松市生まれ。四国学院大学4年生（2023年3月現在）。高校では演劇、大学ではダンスに出会い、自身の表現を広げてきた。最近好きなダンサーは、アオイヤマダさん。料理と読書が趣味で、今読んでいるのは三島由紀夫の「音楽」。<br>瀬戸内国際芸術祭2022「<a href="https://setouchi-artfest.jp/event/detail489.html" target="_blank" rel="noreferrer noopener">Come and Go　ひびのこづえ×島地保武×小野龍一×OGIJIMA</a>」、「<a href="https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/event/bunka_geijutsu/artcitytakamatsu.html" target="_blank" rel="noreferrer noopener">アート・シティ高松」文化芸術創出事業</a>dance+live music「solos」、<a href="https://youtu.be/DcR1uXKf1y4" target="_blank" rel="noreferrer noopener">Re:Rosas ×Shikoku Gakuin University Theater course</a>、<a href="https://vimeo.com/367786218" target="_blank" rel="noreferrer noopener">SHOWING Heini Nukari × Marcelo Evelin × Shikoku Gakuin University</a>などに出演。</p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/hirose/">踊りが私を伝えてくれる／廣瀬桜子さん（大学生・ダンサー）</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
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		<item>
		<title>私の場合は、ヴィーガンだった／稲垣希さん（精進カフェ宙 sora）</title>
		<link>https://setouchipress.com/sora/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小林繭子]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 25 Jan 2023 09:21:42 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[はたらく]]></category>
		<category><![CDATA[くらす]]></category>
		<category><![CDATA[移住]]></category>
		<category><![CDATA[香川]]></category>
		<category><![CDATA[インタビュー]]></category>
		<category><![CDATA[おいしい]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>高松市牟礼町にある「精進カフェ宙 s...</p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/sora/">私の場合は、ヴィーガンだった／稲垣希さん（精進カフェ宙 sora）</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
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										<content:encoded><![CDATA[
<p>高松市牟礼町にある「精進カフェ宙 sora」は、オリエンタルヴィーガンの料理を提供するカフェ。オリエンタルヴィーガンは、動物性の食材を一切使わないヴィーガンの中で、さらに五葷（ごくん：ニラ、ニンニク、ラッキョウ、ネギ、アサツキまたはタマネギを指す）を取らない人たちのことです。</p>



<p>店主の稲垣さんは、ご自身がオリエンタルヴィーガンではあるけれど、「自分の生活や身体に合ってるから、そうしてるだけなの」と、そのスタンスはとてもゆるやか。稲垣さんに、お話を聞いてみました。</p>



<p>＊</p>



<p>——稲垣さんはベジタリアンからスタートしてヴィーガン、オリエンタルヴィーガンと変化してきたそうですが、最初のきっかけは？</p>



<p>もともとは野菜が苦手で、静岡で暮らしていた20代前半ではお菓子やジャンクフードばかりを食べていました。でも、当時よく行っていた自然派化粧品を扱うお店の人から食肉にまつわる情報、地球環境や動物のことを教えてもらっていて、ベジタリアンやビーガンの知識は少しあったんです。</p>



<p>そんなベースがあったなかで出会ったパートナーがベジタリアンで、いろいろと聞くうちに興味を持ち、身体に良さそうだしとベジタリアンを始めたのが2000年頃です。当時は全く料理をしておらず、外食メインで、サラダだけを注文したり、数少ないベジタリアン向けのお店に行ったりしていましたね。</p>



<p>——今のように料理をするようになったのは？</p>



<p>パートナーと共に和歌山の龍神村へ引っ越してからです。村の中には食事をするところがないから、自分で作るしかないぞと（苦笑）。そして、和歌山への移住をきっかけに、ベジタリアンからヴィーガンへ移行しました。</p>



<p>——そうだったんですね。ベジタリアンとヴィーガンの違いってなんでしょうか。</p>



<p>ベジタリアンはさまざまなタイプの菜食主義者の総称で、卵や乳製品などの動物性食品も食べる人たちを指します。ヴィーガンは動物性食品を取らないことに加え、「何を食べるか」以上に、毛皮や革製品を使わないなど、「どう生きるのか」にフォーカスしています。</p>



<p>——ヴィーガンは、日々の選択において動物の命を考える生き方だということでしょうか。</p>



<p>そうですね。私は和歌山で暮らすようになってから、動物性食品を取ることと革製品を使うことをやめ、動物にまつわるものから距離を置きました。その時がヴィーガンになったタイミングです。</p>



<p>——何をきっかけにそう考えるように？</p>



<p>一番の理由は、当時とってもかわいい犬や猫と一緒に暮らし始め、彼らの命について考えるようになったことです。ある時から、自分と動物は生き物として何が違うのかと思うようになって……過激な言い方だけど、自分の肉体とスーパーのお肉に違いはあるのかと。なるべく殺生しない生き方を考えていたら、それがヴィーガンの思想だったんです。でも、完璧にというよりは「できる限り」という感覚をずっと大事にしています。</p>



<p>——ベジタリアンからヴィーガンの食事への移行はどうでしたか？</p>



<p>そんなに大変ではなかったです。子供の頃から卵が苦手だったのもあり、私の身体にはヴィーガンが合っていたんじゃないかな。そして、厳しく線を引くというよりは、食べたいと思ったら食べてみて、「これは今の私には必要ないものだ」と確認を重ねてヴィーガンに移行しました。「我慢して変えた」というふうにはしたくなかったんです。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="736" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/PC191484-1024x736.jpg" alt="" class="wp-image-2366" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/PC191484-1024x736.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/PC191484-300x216.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/PC191484-768x552.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/PC191484-1536x1104.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/PC191484-2048x1472.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/PC191484-600x431.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>——その後、和歌山を離れて香川に移住されたのは、どうして？</p>



<p>パートナーと別れて和歌山を出ることになったのですが、行く場所がなくて。たまたま知り合いが香川にいて、「こっちに来てみたら」と軽く声を掛けてくれたのを鵜吞みにして、それだけで香川に引っ越しました。知人はその人だけだったので、「ほんとに来たの？」って驚いたと思います（笑）。</p>



<p>——香川に来てから「精進料理カフェ宙 sora（以下、宙）」を始められたんですよね。</p>



<p>そうです。香川に来たものの、仕事を決めてなくて。どうやって食べていこう、何とかしなくちゃと思っていた時にカフェだった物件が空くと聞いて、飲食の経験もないのに手を挙げました。今思うと、恐ろしいですよね（苦笑）。</p>



<p>当時は「やります」と言った後で「やるって言っちゃった！」と必死でした。親にお金を借りて、自分で壁を塗ったり、床を張ったりしてなんとかお店を作り、一カ月だけですが（笑）、飲食店でホールのアルバイトを経験するなどして、お店をオープンしたのが2016年の10月です。</p>



<p>——和歌山での稲垣さんはヴィーガンでしたが、香川でお店を出すにあたり、さらに厳密な「オリエンタルヴィーガン」を提供することにしたのは、どうしてですか？</p>



<p>まず、当時の香川にはヴィーガン向けの食事を出すお店がなかったのもあり、ヴィーガン料理を提供すれば、ベジタリアンやヴィーガンの人に会えるんじゃないかと考えたんです。そして、オリエンタルヴィーガンは、精進料理と同じ。「お遍路さん」が訪れるこの地で精進料理を出してみたい、お役に立てるかもしれない、という思いもありました。</p>



<p>オリエンタルヴィーガンの料理は、挑戦でもありました。玉ねぎやニンニクを使わないなんて、味気ないんじゃないかと不安だったんです。でも、いろいろと試していくうちに、野菜そのもののおいしさや旨味をどうやって引き出すのかがわかってきて、これはいけるぞと思えました。そうやって、お店を始めるのを機に、私自身がオリエンタルヴィーガンに移行しました。</p>



<p>——ランチプレートをいただいていると、それぞれの料理の食感や多様な味わいが楽しく、「これはどんな味がするんだろう」、「なんの野菜だろう」と一つひとつの料理に向き合い、じっくり味わう時間になりました。メニューはどのように組み立てるのですか？</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="740" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2385-1024x740.jpg" alt="" class="wp-image-2367" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2385-1024x740.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2385-300x217.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2385-768x555.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2385-1536x1110.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2385-2048x1479.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2385-600x433.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">ベジブロスの元になる野菜も含めると、20種類以上の食品を取ることができる</figcaption></figure>



<p>仕入れる野菜を事前に決めるのではなく、農家さんが今育てている野菜、つまり地の旬のもので組み立てています。なので、メニューが決まるのはいつも直前です。最近おいしさが際立っているのがほうれん草。茹でて塩とごま油で調味をしただけで、ほうれん草そのものの味がよくわかると思います。メインには、大豆ミートを使用することが多いです。</p>



<p>違う食感や味わいのものを組み合わせることで変化を作ったり、「ベジブロス（野菜くずで作るだし）」を活かしてコクを出したりと、五葷を使わず、植物性食品だけでも満足できるように心がけています。一つひとつはシンプルに調理していますが、季節の野菜と味付け、調理の組み合わせで無限に広がっていきます。昔野菜が苦手だったので、難しい味わいの野菜は蒸してからソテーするなど、ひと手間加えておいしさを引き出すようにしています。「どうしたら食べやすいかな？」と考えるのが楽しいですね。</p>



<p>——酵素玄米ってすごくもちもちしていますね。一見「少なそう」と思ったのですが、意外とちょうどいい量でした。どうやって作るんですか？</p>



<p>圧力なべで炊いてから保温器で保温をして、3日以上経過したら完成です。私が好きな状態は保温から4、5日後くらい。品種だけでなく、作る人によっても味が大きく違います。白米より栄養価も満足感も高いですが、なにより味として好きですね。お店で提供しているランチは、私のいつもの食事をそのまま再現しています。</p>



<p>――お店がスタートしてから6年、以前よりヴィーガンの認知は広がっていると思いますが、この間にどんな変化がありましたか？</p>



<p>オープン当初はまず言葉を知ってもらおうと、お店の説明では「ヴィーガン」という語をわざわざ使うようにしていたのですが、雑誌などに掲載されるときには「一般的じゃないから」と別の言葉で表現されることが多かったです。</p>



<p>そういえば、最初のうちはベジタリアンやヴィーガンについて、どんなお店か、どんな考えなのかを積極的に発信していました。今考えると、どんな人が来るのかわからない不安から、自分を守るために発信していたようなものでした。書いたことを読んで、興味を持ってくれた人が来てくれたらいいなと思っていたんです。</p>



<p>——お客さんを絞り込むための発信だったのですね。今はどうですか？</p>



<p>徐々に発信をしなくてもいいようになったのは、どんなお客さんが来ても今は対応できるようになったからだと思います。常連さんに加えて、新規の方やたまにふらっと寄ってくださる方も増えてきました。開店当初のお客さんとの密なかかわりから少しずつ変化していて、今が一番心地いいと感じています。</p>



<p>心地よく働いていたら、自然とお店の雰囲気が良くなって、きっとお客さんも心地よくなるんじゃないかな……。なので、お店をやるにあたって、自分が楽しめるにはどうしたらいいのかはいつも頭にあります。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2450-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2368" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2450-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2450-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2450-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2450-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2450-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2450-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2450-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2450-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>——お店には、どんな方がいらっしゃいますか？</p>



<p>ほとんどがノンヴィーガンの方です。魚は食べるけどお肉が食べられない方、卵や乳製品アレルギーの方、意外と多いのが五葷が苦手な方です。また、健康のため、興味があって、という方もいらっしゃいます。常連さんのなかには、近所のおじいちゃんもいるんですよ。</p>



<p>——お店で感じるのは、強い主張ではなくヴィーガン料理どうですか、おいしいですよ、というふんわりした空気感で、ノンヴィーガンの私でも気軽に訪れ、楽しむことができました。稲垣さんのスタンスは、ずっとゆるやかだったんですか？</p>



<p>私がヴィーガンになったのは動物の命を考えたことがきっかけですが、食肉にまつわる地球環境への影響など、いろんなことを勉強して「ヴィーガンやベジタリアンであるべき」と思ってしまっていた時期もありました。</p>



<p>——そんな時期もあったんですね。食べ物と環境の関係では、どんなことに注目していますか。</p>



<p>一番懸念していることは、人間の食べるスピードに合わせて効率よく大量に育てて捌いて食べるということでしょうか。具体的には牛肉が地球環境への負担が大きいとか、飼料の大豆を人が食べる分にまわせば飢餓がなくなるという考えです。かといって、みんながヴィーガンになればいいと思っているわけではありません。そうすると、また偏った弊害が生まれてしまいます。難しいですよね。だから、今は「こうあるべき」というのはないと思っています。</p>



<p>——食べ物と環境の関係性は少しだけ知っているのですが、どうしても実感が希薄なのか、自分がおいしいと思うもの、食べたいものを優先してしまっているのが正直なところです。でも、自分の今の選択が少し先の環境を作っているんですよね……。</p>



<p>食べているものが何にどう影響を及ぼすのかは知っているといいとは思いますが、食べるものは各々が決めていくこと。その中で宙のごはんを食べて、新たな気づきや何かのきっかけになればうれしいです。普段はまったく意識してないけれど、こうやって話していると、私ってヴィーガンなんだなって思います（笑）。</p>



<p>昔、親しい友人から「一緒に食事にいくとき、ヴィーガンに合わせてお店を選ぶことになっちゃう」と言われて、はっとしたことがありました。違いのある人が共存して楽しく過ごすには、専門店が増えるというよりは、さまざまな制限に対応できるお店が増えることが大事だと思っています。宙では肉や魚は提供しませんが、グルテンフリーの対応は可能にしています（要事前予約）。ヴィーガンの人、そうではない人、アレルギーのある人など、みんな一緒に、楽しくおいしい食事ができる場所を続けていきたいと思います。</p>



<figure class="wp-block-image size-large is-resized"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2402-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2369" style="width:512px;height:384px" width="512" height="384" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2402-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2402-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2402-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2402-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2402-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2402-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2402-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_2402-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 512px) 100vw, 512px" /></figure>



<p><strong>稲垣 希</strong><br>1973年静岡県生まれ。静岡ではベジタリアン、和歌山ではヴィーガン、香川ではオリエンタルヴィーガンと、住処を移すタイミングで変化しながら、心地よさを大切に暮らしている。休日の楽しみは、ヴィーガンのお店や温泉をめぐる旅に出ること。お気に入りの本は佐藤初女さんの「おむすびの祈り」。</p>



<p></p>



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<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="674" data-id="2370" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/PC191452-1024x674.jpg" alt="" class="wp-image-2370" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/PC191452-1024x674.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/PC191452-300x197.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/PC191452-768x505.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/PC191452-1536x1011.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/PC191452-2048x1347.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/PC191452-600x395.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="795" data-id="2371" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/326390439_8833047240068689_6994170494506098492_n-1024x795.jpg" alt="" class="wp-image-2371" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/326390439_8833047240068689_6994170494506098492_n-1024x795.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/326390439_8833047240068689_6994170494506098492_n-300x233.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/326390439_8833047240068689_6994170494506098492_n-768x596.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/326390439_8833047240068689_6994170494506098492_n-600x466.jpg 600w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/326390439_8833047240068689_6994170494506098492_n.jpg 1116w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>
</figure>



<p><strong>精進カフェ宙 sora</strong><br>オリエンタルヴィーガンのランチやスイーツを提供しているカフェ。ランチは週替わりで、季節の野菜ポタージュスープ、野菜と大豆ミートによるメインと副菜のプレート、酵素玄米のセットで1500円（税込）。1日12食限定の予約制となっています。事前に連絡すれば、グルテンフリーの対応も可能です。メニューについては<a href="https://www.instagram.com/shojin_cafe_sora/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">Instagram</a>で発信しています。ことでん八栗駅から徒歩4分。</p>



<p>・<a href="https://goo.gl/maps/B8gvnysFuGKj17gq5" target="_blank" rel="noreferrer noopener">香川県高松市牟礼町牟礼2500-2</a><br>・087-808-8800<br>・不定休（<a href="https://www.instagram.com/shojin_cafe_sora/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">Instagram</a>でご確認ください）<br>・予約制（電話かSNSのDM）<br>・テイクアウト可能（予約制）<br>・営業時間 11:00-14:00（L.O.）<br>*記事の内容は、掲載時点のものです</p>
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			</item>
		<item>
		<title>一言では表せない、それぞれの働き方／村上智美さん（ライター・編集、メーカー広報）</title>
		<link>https://setouchipress.com/murakami/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小林繭子]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 18 Jun 2022 10:29:40 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[はたらく]]></category>
		<category><![CDATA[くらす]]></category>
		<category><![CDATA[移住]]></category>
		<category><![CDATA[香川]]></category>
		<category><![CDATA[インタビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>自分のやりたい仕事をやるのには、いろ...</p>
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										<content:encoded><![CDATA[
<p></p>



<p>自分のやりたい仕事をやるのには、いろんな道筋や方法がある。それなのに私（小林）は、今他の仕事をしながらライターをしていることに、歯がゆさのようなものを感じることがあります。「何か一本の仕事を生業にしなくては」、そんな焦燥感を抱えていた時に、同じように複数の仕事を持つライター仲間・村上さんはどう考えているのか聞きたくて、お話ししてみました。（取材・ライティング／小林繭子）</p>



<p>*</p>



<p>——村上さんは今、どんな仕事をされていますか？</p>



<p>ライター・編集の仕事、業務委託での企業広報、この二つを柱にしています。加えて、週に1回ラジオ番組の制作のお手伝いもしています。</p>



<p>——三つの仕事をされているんですね。この形にたどり着くまでの経緯をお聞きしたいです。</p>



<p>大学卒業後は、香川でタウン誌を発行している会社に就職しました。本当は音楽関係の仕事がしたくてレコード会社に応募しましたが、なかなか難しくて。挙げたらきりがないけれど、当時はGRAPEVINE、クラムボン、SOPHIAなどが大好きで、音楽雑誌「音楽と人」やタワーレコードで配られるフリーペーパーを隅から隅まで読んでいました。</p>



<p>大好きな音楽に関わる仕事がしたい、そうだ、タウン誌には毎月アーティストへの取材ページがあるぞと。当時は、書く仕事がしたいと思っていたわけではなく、とにかく音楽に近づくにはこれしかないと思っていたんです。</p>



<p>最初は営業部に配属されましたが、入社3か月で音楽ページ担当の話が舞い込み、営業部に所属しながら毎月アーティストへのインタビューを担当しました。そのページがあったから、営業の仕事も頑張れましたね。その後はライティング・編集メインへと移行していきました。</p>



<p>タウン誌では、アーティストに1時間インタビューしても記事になるのは300文字ほど。タウン誌の枠を超えた記事を書きたい、もっとアーティストの内面に寄る記事を書きたい、とだんだん欲が出てきて。その頃、毎月読んでいた音楽雑誌「音楽と人」で初めて編集部員の一般公募があったんです。幸運なことに採用され、そのタイミングで東京に引っ越しました。</p>



<p>長年の夢が叶い、仕事も充実していましたが、全力で突っ走った結果、体調を崩してしまい……。もっと仕事のやり方を考えるべきだったと思います。「音楽と人」を辞めた後は、別の出版社に転職し、そこでも編集とライターの仕事をしました。東京で6年働きましたが、2017年に香川にＵターンし、一度出版業界を離れました。</p>



<p>——香川へＵターンされたのは、どうして？</p>



<p>暮らす場所と働き方を変えて、生活を立て直そうと考えたんです。東京の暮らしは刺激的で楽しいものの、夜遅くまで仕事をしたあとに満員電車で帰宅して、気が付いたらもう寝る時間。翌朝急いで起きて、また仕事に行くような日々でした。休日も、溜まった疲れをなんとかしようと寝てばかり……。ふと「私、何してるんだろう」と思ってしまって。東京ってスピードが速くて、ついていくのに必死だったんです。楽しい分それに気づかず、ふと立ち止まった時にはクタクタになっていました。</p>



<p>次第に、自分のためにご飯をゆっくり作ったり、自然があるところに出かけたり、自分の時間をちゃんと作って、生きる時間を大切にしたいと思うようになりました。自分ではわかってなかったけれど、「働きすぎだよ、おかしいよ」と言ってくれる人がいたおかげで、生活に重きを置こうと思えたのもあります。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_0271-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2291" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_0271-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_0271-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_0271-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_0271-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_0271-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_0271-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_0271-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_0271-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>——Ｕターンのタイミングで、フリーのライターになることは考えなかったのですか？</p>



<p>今はそうではないけれど、当時は「会社員じゃなくちゃダメだ」と思い込んでいたんですよね。保険や保障などが不安定になるし、そもそも勇気がなかったんです。地方では、ライターだけで食べていくのは難しいだろうなという不安もありました。</p>



<p>——香川にＵターンされてからは？</p>



<p>現在業務委託として契約しているメーカーに、広報担当の正社員として入社しました。会社が新商品をリリースするタイミングだったので、一時は東京にいた頃よりも忙しかったですね。想定外に忙しい日々の中で一年半頑張ったものの、これでは本末転倒だなと、退職を考えるようになりました。</p>



<p>会社を辞めるとしたら、私には何ができるだろう。最初に浮かんだのは、取材に行って書くこと。仕事ではなく自分の時間中心の暮らしがしたかったので、次はフリーになると決めていました。会社に退職の意思を伝えると、残ってほしいと言っていただけて。だけど、やっぱり正社員としてハードに働き続けることは難しかったし、もう一度ライターの仕事をやりたい気持ちが強くありました。</p>



<p>すると会社側も私の気持ちを尊重してくださり、ありがたいことに業務委託として広報の仕事を一部続けられることになりました。フリーでライターの仕事も受けるようになり、二足のわらじがスタート。それが今の基盤になっています。お金のことは後でどうにかすればいいやと思ってはいたものの、ライターの仕事だけで生活していくことは現実的に難しかったと思うので、会社にはすごく感謝しています。</p>



<p>——業務委託を提案してもらえたことで、二つの仕事を調整しながら進める道筋ができたんですね。そこに加わったラジオの仕事は？</p>



<p>これは完全に、ご褒美の位置づけです（笑）。会社員を辞めたことにより時間をコントロールできるようになって、せっかく時間があるし、思いきり好きなことしようと思って。音楽を好きになったきっかけはラジオで、中学生の頃からずっと聴いていました。大好きな仕事なので、とにかく楽しいです。</p>



<p>——フリーに対する不安感について、今はどう変化しましたか？</p>



<p>複数のわらじがあることで、金銭的な不安は多少解消されました。あとはやりたい仕事を自分の裁量でやれるという点において、フリーは精神的満足度が高いんだということに気づきましたね。</p>



<p>——他に、複数の仕事を持って良かったことは？</p>



<p>これは予想外だったのですが、それぞれの異業種での経験が相乗効果になることがあります。広報の仕事をしていると出版社とのやりとりが多く、出版業界での経験がかなり活かされます。ラジオの仕事では、リクエストを選ぶ時に音楽業界での経験が活きたり、タウン誌時代の繋がりでインタビュー取材先のネタ出しができたり。この相互作用は、すごくおもしろいです。</p>



<p>あとはなにより、居場所が複数あることが私には一番いいんです。働く場所が三つあるので、一つの仕事でなにかあっても別の仕事で気が紛れるし、それぞれの場所にいる人も違って刺激になる。楽しいし、いい感じにバランスが取れています。</p>



<p>——一つの場で仕事をし続けるよりも、性に合っていたんですね。</p>



<p>振り返れば、一か所に所属することの自分の限界を、社会人最初の10年で痛感したのかもしれません。会社員として働くといろいろと制約も多いですし、それがちょっと息苦しかったというか。これは単に私がわがままで未熟なだけかもしれませんが、自分の裁量で仕事をしていた方が、パフォーマンスが上がる気がしたんです。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5152-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2292" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5152-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5152-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5152-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5152-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5152-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5152-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5152-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5152-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5153-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2293" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5153-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5153-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5153-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5153-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5153-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5153-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5153-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5153-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>それにどんなに会社のために頑張ったとしても、いざというときに会社が自分を守ってくれるのかというと、わからないなと思っていて。過去、同僚が働き詰めによって体調を崩してしまった時、上司はすごく心配していました。でも、会社として一人の社員のためにきめ細かい対応をするのには、どうしても限界があるのだと実感したこともあります。企業は利益を追求し続けなければならないので仕方のないことですが、それって怖いことだなと……。</p>



<p>守ってくれると信じていたにもかかわらず、それが叶わなかったとき、ボロボロになっているのは自分。それなら自分の責任で回せる環境にいた方が、何かあったときに気持ちが楽なんです。自分で自分を守れる環境にいたいから、主語が会社ではなく、「私」になる働き方をしていたいと考えています。</p>



<p>——なるほど……。私は、自分で責任を負うことへの不安にばかりフォーカスしてしまっていたのですが、「自分で責任を負える」っていいものなのかもしれませんね。</p>



<p>仕事の入れ方を失敗したら収入に直結しますが、自分で責任を負える方が楽だからフリー、という人は案外周りにもいます。とはいえ組織にいる方が気が楽だという人ももちろんいるだろうし、これは人によると思います。</p>



<p>——フリーでの仕事の入れ方って、難しくないですか？　うれしい依頼についつい無理して応えてしまったり。</p>



<p>決まった時期に決まった量の仕事が来ることはなかなかありませんが、もうその波を楽しむしかないかなあと（苦笑）。「今月は仕事を入れすぎて大変だ」なんてこともありますが、一息ついたら絶対にだらけると決めています。この3年で広報業務の繁忙期サイクルも固まってきたので、だんだんと仕事量が把握しやすくなってきてはいます。</p>



<p>——複数の仕事を持つと、時間管理が大変そうです。</p>



<p>全然そんなことないんですよ。会社員の頃よりも、今の方がずっと自分の時間を取れています。最初にここだけは休みと決めてブロックしたら、何があっても仕事を入れないようにしています。その分、休みとして確保した時間以外は仕事を頑張る。頑張りすぎた翌月は仕事を抑えるようにしてバランスを取っています。</p>



<p>普段は朝起きるのもゆっくりで、午前中は大体自分の時間にしています。毎朝同じ時間に会社に行くことも、私にとってはしんどかったんだろうな……。自分を後回しにしていた20代を経て、今は無理をしないように気を付けています。</p>



<p>——ところで、村上さんはどんなふうに原稿を書いているんですか？</p>



<p>取材が終わって、原稿を書き始めるまでの時間は長いほうかもしれないです。構成を考えるというよりは、何を軸にして文章を書くのかを頭のなかでずっと考えています。取材対象の数ある魅力の中から、どれを軸にして書いたら一番魅力的に見せられるかが定まったら、一気に書きます。</p>



<p>——オンとオフはうまく切り替えられていますか？</p>



<p>う～ん、なかなか難しいですね。「ほんとにあれで良かったのかな……」とオフの時間もついつい仕事のことを考えちゃいます。生活と仕事って完全に切り離せなくて、モヤモヤと考えている時間は長いです。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5193-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2294" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5193-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5193-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5193-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5193-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5193-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5193-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5193-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5193-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>一時期は自分のできないことばかりが目について悩みましたが、「頑張りすぎるのはやめよう、自分にできることを一生懸命頑張るしかない」と、最近切り替えられました。それは何かがあった訳ではなく、ずっと考えていたら、ふとそう思えたというか。</p>



<p>——もしかしたら、オン／オフの切り替えが苦手な人ほど自分で責任を持つフリーが合っているのかもしれないですね。今の働き方は長く続きそうですか？</p>



<p>二本柱とご褒美の仕事、今はこの三つですごくバランスがいいと感じていて、続けていきたいです。仕事の総量は会社員時代よりも抑えつつ、やりたい仕事を自分で調整しながら進められていて、理想の生活ができています。</p>



<p>でも、今の仕事のうちのどれかが10年後に消えている可能性は十分にあるし、それに代わる新しい仕事を見つけられるのか不安もあります。そういう意味では非常に怖いですね。ライターの仕事は、年齢が上がると仕事が限られてしまうんじゃないかという危惧もあります。</p>



<p>——そう思ったのは？</p>



<p>「今のあなたの年齢に合うと思ってこの仕事を依頼した」と言っていただくこともあって。アンテナを張って進化し続けていれば、その壁を越えられるのかもしれないけれど、実際に歳を重ねてみないとわからない。そういう意味ではずっと続けられる仕事だという確実性はないです。</p>



<p>だけど確実性がないからこそ、今を大切にしたいです。その時々に悩んだり、失敗したりもすると思うけど、それを自分で責任を持ちながら進めていく、これが今の私には一番みたい。そのためにちゃんとだらける、休む（笑）。これが私らしい働き方なんだと思います。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="561" height="405" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5169.jpg" alt="" class="wp-image-2295" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5169.jpg 561w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5169-300x217.jpg 300w" sizes="auto, (max-width: 561px) 100vw, 561px" /></figure>



<p><strong>村上智美</strong></p>



<p>1986年生まれ、香川県丸亀市出身。大学卒業後、タウン誌の営業部・編集部で雑誌作りの基礎を学び、編集者・ライターとしてのキャリアをスタート。2011年に上京し、中学生のころから憧れていた＜株式会社 音楽と人＞に入社。その後教育系出社を経て、2017年3月に香川県にUターン。メーカー広報の傍ら、2018年7月よりフリーライター・編集としての活動を開始。最近の思い出は、野外音楽イベント「OTODAMA」「hoshioto」に参加したこと。現在は、20年来心の拠り所としているバンド・SOPHIAの活動再開に胸を躍らせている。海が好きで、休みの日は屋島や瀬戸大橋記念公園をぶらぶらする。<br><a href="https://mimoton9.wixsite.com/tomoomimurakami"></a><a href="https://mimoton9.wixsite.com/tomoomimurakami" target="_blank" rel="noreferrer noopener">個人ウェブサイト</a>、<a href="https://www.instagram.com/tomomi_murakami_/">Instagram</a></p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/murakami/">一言では表せない、それぞれの働き方／村上智美さん（ライター・編集、メーカー広報）</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>撮っているのは、光です。／井手豊さん（映像作家）</title>
		<link>https://setouchipress.com/2201ide/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小林繭子]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 28 Jan 2022 03:04:22 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[はたらく]]></category>
		<category><![CDATA[くらす]]></category>
		<category><![CDATA[岡山]]></category>
		<category><![CDATA[アート]]></category>
		<category><![CDATA[つくる]]></category>
		<category><![CDATA[インタビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>岡山駅から電車で1時間ほどの津山駅で...</p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/2201ide/">撮っているのは、光です。／井手豊さん（映像作家）</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
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										<content:encoded><![CDATA[
<p>岡山駅から電車で1時間ほどの津山駅で降り、バスに乗って約30分でたどり着く、<a href="https://www.town.nagi.okayama.jp/moca/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">奈義町現代美術館</a>（※美術館は現在、新型コロナの影響により2022/3/6迄の予定で休館中）。</p>



<p></p>



<p>今回の目的は、作品と建物が半永久的に一体化した美術館に加え、美術館ギャラリーで開催されている映像作品展「ー零れ落ちた光を集めるー」を観ること。ウェブサイトでみた告知の画像になんだか心を奪われ、直感的に訪れた。</p>



<p>映像作品は20分の間、あえて無音にしているという。肉眼では見ることのできない、マクロレンズの世界。静寂の中に息づく、自然の生き物、植物の生命と光。その美しさに引き込まれ、在廊していた映像作家・井手豊さんに思わず話しかけた。</p>



<p></p>



<figure class="wp-block-image size-large is-resized"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3989-1024x784.jpg" alt="" class="wp-image-2049" width="840" height="643" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3989-1024x784.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3989-300x230.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3989-768x588.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3989-1536x1176.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3989-2048x1568.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3989-600x459.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 840px) 100vw, 840px" /></figure>



<p>——映像は、いつから撮っていたのですか？</p>



<p>24歳頃から８mmフィルムで映像を撮っていたと思います。子供の頃から映画が好きで、なにか映画のようなものを撮ってみたかった。今とは違って、当時は人物を撮っていました。でも、自分は脚本を書くことやストーリーを組み立てることに興味が湧かなくて。例えば、大好きな映画『未知との遭遇』で僕が好きなのは、物語でも台詞でもなく、UFOが出てくるシーンそのものなんです。</p>



<p>——映像そのものが好きだったんですね。</p>



<p>そうなんです。それで、人物が出てきても物語のない、PVのようなものを作っていました。そんな作風のものを長くやっていましたが、2003年にスランプになり、10年近く作品が作れなくなって。その間は美術展やイベントなどの記録撮影の依頼をたくさんいただいたおかげで、なんとか続けてこられました。作品作りが復活したのは2013年です。今のように自然の中にいる虫や植物を、マクロレンズで撮影するようになりました。</p>



<p>——スランプになったのは、どうして？</p>



<p>人物を撮りたくなくなってきたというのもありますが、正直、ビデオの画質がずっと嫌いだったんです。説明が難しいですが、ギラギラ、ヌルヌルしているというか……。映像を撮るならそれしか方法がなくてやってきたものの、いよいよ嫌になっちゃった（苦笑）。</p>



<p>そんなときにレンズ交換式のデジタルカメラが出てきて、撮ってみたら画質がすごくきれいだったんですね。マクロレンズも安く手に入ったので使ってみたんです。人物以外に何を撮ろうかと考え、子供の頃から遊んでいた山にとりあえず行ってみて、マクロレンズの中を覗きました。</p>



<p></p>



<p></p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="576" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00013-1024x576.jpg" alt="" class="wp-image-2050" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00013-1024x576.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00013-300x169.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00013-768x432.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00013-1536x864.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00013-1200x675.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00013-960x540.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00013-600x338.jpg 600w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00013.jpg 1920w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p></p>



<p></p>



<p>その瞬間、初めて見るマクロの世界に鳥肌が立ったのを覚えています。こんなに美しい画像が撮れるんだと、衝撃的でした。ああ、これが見たかったんだ、これが撮りたい映像だったんだと確信しました。</p>



<p>——その時に見えたものは？</p>



<p>抽象的なんですけど、光景の美しさです。木漏れ日の感じや光の揺らめき、その中にいる虫……そういうものに感動しました。私は映像で何かを訴えたいとか、テーマとか、そういうものはないんです。撮影しに行って、その場で感じたものを撮る、ただそれだけ。自然を大切にしようと思ってはいるけど、作品にそういった主張はないです。</p>



<p>——マクロレンズと肉眼で見えるものは全く違いますよね、どうやって撮りたいものを見つけるんですか？</p>



<p>肉眼でこれかな？と思うものにカメラを向けて寄っていき、自分に刺さるものを探している感じです。視界に入っているものを認知しているときって、これがあるというだけで、わざわざそこにズームしようとは思わないですよね。でも、マクロレンズを通して世界を見ると、見えないものが見えてくるんです。</p>



<p> 時間はかかります。でも、何かを撮ろうと自然の中をうろうろしているだけでも楽しいんです。1カットは30〜60秒で、本番で使うのは15秒ほど。一日あたり最低でも2、3カットは撮れます。つまり、１日中カメラを回しても３分しか撮れないこともあるんです。でも、なにかをみつけたときの喜びの方が断然大きい。撮れなくてもいいや、くらいの気持ちで撮影しに出かけています。 </p>



<p>——2013年にマクロレンズを始めてからこれまでに、撮りたいものは変化してきましたか？</p>



<p>初期は、形の面白さに惹かれてよく虫を撮っていました。それを続けていたら、自分が本当に撮りたいものは光なんだと気が付きました。白い壁に木漏れ日がゆらゆらしているようなものではなくて、自然の中に虫がぽんといて、周りに木漏れ日がわーっとある、そういう画が好きですね。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="576" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00006-1024x576.jpg" alt="" class="wp-image-2051" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00006-1024x576.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00006-300x169.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00006-768x432.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00006-1536x864.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00006-1200x675.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00006-960x540.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00006-600x338.jpg 600w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00006.jpg 1920w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption"> </figcaption></figure>



<p>——井手さんの映像を拝見して、光ってこんなにもいろんな姿をしているのかと、知っていたつもりだけど気づいてなかった姿に見とれました。光は、そこにあるはずなのに捉えどころがない。その捉えどころのないものが表れてる印象が強かったです。ところで、今回の作品では、生命力を感じる小さな生き物の姿と、朽ち果てた木の葉、死んでいるクワガタムシなど、真逆のものが共存していましたね。</p>



<p>私にとってはどちらも美しいと感じるものでした。自然に入って美しいと思った光景だけを集めた、それだけなんです。</p>



<p>——万人に理解される美しさもあるし、グロテスクなものの中に美を発見することもある。人それぞれの感性だと思いますが、「美しい」って、なんでしょうか？</p>



<p>僕にとっては、宇宙を感じるもの、それだけかな……。撮った映像は、自分にとっての宇宙のようなもの。マクロレンズを通して見るカビだらけのキノコにも美しさを見つけ、宇宙を感じてしまうことがあります。</p>



<p>——映像を撮るときの衝動は「美しい、捉えたい」それだけ？</p>



<p>そうですね。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="576" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00012-1024x576.jpg" alt="" class="wp-image-2078" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00012-1024x576.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00012-300x169.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00012-768x432.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00012-1536x864.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00012-1200x675.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00012-960x540.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00012-600x338.jpg 600w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00012.jpg 1920w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>——普段はチェーンソーなど、林業や造園用の機器の販売や修理をするお店をされているんですね。仕事も楽しいですか？</p>



<p>楽しくはないですね（苦笑）、淡々とやるべきことをやっている感じです。</p>



<p>——楽しくないことを続けるのは平気なんですか？</p>



<p>平気じゃないけど、家族もいるし辞めるわけにはいかない（苦笑）。妻は応援してくれているけれど、特別映像に興味があるわけじゃないみたい。でも、作品の編集が終わったら、必ず妻に確認してもらいます。ここがよくわからないとか、違和感があるとか、その意見に合わせて修正しています。僕とは違う視点を持っていて、作品作りの貴重な意見になっています。</p>



<p>——仕事と週末の映像作品作り、それぞれの相互作用はありますか？</p>



<p>ないですね、全く別のものです。日中の仕事は生活のためだけど、映像は本当にやりたいことを大事にしています。映像では自分の作品作りとは別に、依頼を受けて撮影をすることもあります。劇団の公演、アマチュアバンドのPV、美術館でのイベント記録など、そういうものを撮影するときは、依頼してくれた人が喜んでくれるものを作るようにしています。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3965-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2052" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3965-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3965-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3965-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3965-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3965-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3965-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3965-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3965-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>高校を中退してから家業である今の仕事を始める30代後半までは、ずっとアルバイトをしながら映像を撮っていました。映像で仕事ができたら良かったけれど、なかなかそうもいかなくて。映像以外にやりたいことが思いつかず、いろんなアルバイトをしてもピンとくるものがありませんでした。</p>



<p>経験した仕事の中で何かを本業にすべきだったのかもしれないけれど、自分の中の「好き」を優先してきました。でも、それで悩んだことも、不安に思ったこともなかったです。若い頃漠然と考えていた「映像の仕事に就きたい」という思いは、年を取るにしたがって、自然と消えていきましたね。それは、自分がこれだと思うものを撮り続けてこれたからかもしれません。</p>



<p>作品は作っていたけれど、何か行動をしていたわけではないんです。「本気でやる気ある？」と言われてもいいくらい漠然としていました。不安がなかったのは、そこまで考えてなかったからだと思います（苦笑）。</p>



<p>——自分の作品を、いろんな人に見てほしいという欲求は？</p>



<p>ないです。語弊を恐れずに言うと、自分がやりたいだけなんです。見てくれた方に良かったよと言っていただけるのはすごくうれしいですが、それが目的ではないです。自分が作りたくて作っている、本当にそれだけ。大変でしょう、と言ってもらうことがありますが、なんにも大変じゃないんです（笑）。だから、ずっと続けていくと思います。<br>（マクロレンズ写真提供：井手豊）</p>



<p></p>



<figure class="wp-block-image size-large is-resized"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3946-1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-2054" width="512" height="384" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3946-1-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3946-1-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3946-1-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3946-1-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3946-1-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3946-1-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3946-1-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/IMG_3946-1-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 512px) 100vw, 512px" /></figure>



<p><strong>井手 豊</strong></p>



<p class="has-small-font-size">映像作家。1965年岡山県津山市に生まれる。津山市在住。1989年より映像作品の発表を始める。個人の映像作品ではマクロレンズを通した自然世界の美しさを捉え続ける。作品制作以外にも、奈義町現代美術館展覧会をはじめとする地域のアートイベントや文化遺産の記録映像制作、地域のミュージシャンのPV制作などに携わる。仕事が休みの週末に撮影を行い、よく撮影しに訪れる岡山県内の場所は<a href="https://goo.gl/maps/a63RtsU3YRi4UWG16" target="_blank" rel="noreferrer noopener">岡山県自然保護センター</a>、<a href="https://goo.gl/maps/w2VEBgAuUxjPNKKHA" target="_blank" rel="noreferrer noopener">岡山県立森林公園</a>、丹後山（<a href="https://goo.gl/maps/B6tWBNVSptyBQFsw9" target="_blank" rel="noreferrer noopener">鶴山公園</a>から宮川を挟んだ向かい側の山の通称）。<br>2001年山下三味子氏（珍しいキノコ舞踊団）と短編映像を制作。<br>2012年第１回美作市映像大賞にて「みまさかけはい」優秀賞受賞。<br>2013年おかやま県民文化祭地域フェスティバル事業「美つくりの里・旅するアート2013」にて短編映像作品を出品。</p>



<figure class="wp-block-embed is-type-rich is-provider-埋め込みハンドラー wp-block-embed-埋め込みハンドラー wp-embed-aspect-16-9 wp-has-aspect-ratio"><div class="wp-block-embed__wrapper">
<iframe loading="lazy" title="井手豊「美しいものは ただ眺めませう。」short.ver" width="960" height="540" src="https://www.youtube.com/embed/kowa4fNzTkk?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe>
</div></figure>



<p></p>



<p><a href="https://www.town.nagi.okayama.jp/moca/news/ideyutaka.html" target="_blank" rel="noreferrer noopener"><strong>－零れ落ちた光を集める－ 井手豊映像作品展</strong></a></p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="576" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00007-1-1024x576.jpg" alt="" class="wp-image-2093" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00007-1-1024x576.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00007-1-300x169.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00007-1-768x432.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00007-1-1536x864.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00007-1-1200x675.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00007-1-960x540.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00007-1-600x338.jpg 600w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/Still0126_00007-1.jpg 1920w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p class="has-small-font-size">＜こちらの作品展は終了しました＞<br>約1年かけて撮影した小さな生き物、植物たちの命、その光をマクロレンズでとらえた約20分の映像作品を展示。あえて無音にした映像は、観ている者の想像力を引き出してくれる。新型コロナウイルス感染症拡散防止のため、会場の奈義町現代美術館は3/6まで休館することとなりました。併せてこちらの作品展は終了となりました（2022/2/21追記）。最新情報は奈義町現代美術館にてご確認ください。</p>



<p class="has-small-font-size"><a href="https://www.town.nagi.okayama.jp/moca/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">https://www.town.nagi.okayama.jp/moca/</a></p>



<p></p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/2201ide/">撮っているのは、光です。／井手豊さん（映像作家）</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>創作が日常になる。香川へ移住したアーティスト・吉田亜希さん</title>
		<link>https://setouchipress.com/scf002/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小林繭子]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 15 Aug 2021 04:32:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[はたらく]]></category>
		<category><![CDATA[くらす]]></category>
		<category><![CDATA[移住]]></category>
		<category><![CDATA[表現]]></category>
		<category><![CDATA[香川]]></category>
		<category><![CDATA[エンターテイメント]]></category>
		<category><![CDATA[アート]]></category>
		<category><![CDATA[インタビュー]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://setouchipress.com/?p=1971</guid>

					<description><![CDATA[<p>瀬戸内サーカスファクトリー ２.吉田...</p>
<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/scf002/">創作が日常になる。香川へ移住したアーティスト・吉田亜希さん</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p><strong>瀬戸内サーカスファクトリー ２.吉田亜希さん</strong></p>



<p>ミュージシャンのツアー、舞台への出演や振付など、エンターテイメントの第一線でエアリアル専門のパフォーマとして活躍してきた吉田亜希さん。瀬戸内サーカスファクトリー（以下、SCF）がアーティストを多角的にサポートする「<a href="https://scf.or.jp/associate-artists-j" target="_blank" rel="noreferrer noopener">アソシエイト・アーティスト制度</a>」ができる前、2019年に東京から香川に拠点を移して活動しています。（１.SCF代表田中さんの記事は<a href="https://setouchipress.com/scf001/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">こちら</a>）</p>



<p>——現代サーカスとの出会いと、香川に拠点を移された経緯を教えてください。</p>



<p>大学卒業してからずっとエアリアル（空中演技）を専門に、東京を拠点にして活動していました。エアリアルの基礎を学びたいと思った時に、練習場所があるのも、教えてくれる人がいるのも東京だったし、人の繋がりもある。エンターテイメントの世界で生きていくには東京じゃないと、っていうのがずっと強くて。</p>



<p>様々なステージに立ちながらも、エアリアル以外にもこんな感じのことをやりたいな、という抽象的なものが自分の頭の中にありました。それが何かわからないまま、さまざまな人と関わったり、会話したり、舞台を観たりしている中で、「私がやりたい事って “現代サーカス” っていうんだ！」とある日気が付きました。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="960" height="960" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/65755614_2430738363827846_2687151485652828160_n.jpg" alt="" class="wp-image-1972" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/65755614_2430738363827846_2687151485652828160_n.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/65755614_2430738363827846_2687151485652828160_n-300x300.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/65755614_2430738363827846_2687151485652828160_n-150x150.jpg 150w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/65755614_2430738363827846_2687151485652828160_n-768x768.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/65755614_2430738363827846_2687151485652828160_n-600x600.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 960px) 100vw, 960px" /><figcaption class="wp-element-caption">フランスでのエアリアルパフォーマンス／写真提供：吉田さん</figcaption></figure>



<p>現代サーカスについて調べてみると、ヨーロッパの情報や映像は見つけられるけど、日本の情報がなかなか出てこなくて。知人からSCF主宰のフランスの現代サーカス演出家<a href="https://circusdo.exblog.jp/21717770" target="_blank" rel="noreferrer noopener">カミーユ・ボワテルのワークショップ</a>の情報を聞いて、彼の映像も見たこともないし、よくわからなかったけど、面白そうだからと香川まで受けに行きました。それが2015年のことです。</p>



<p>カミーユは、フープ(空中に吊されたリング）やティシュー（空中に吊るされた布）などのメジャーなサーカス器具は使用せず、身体だけを使ったストイックな表現が中心。「一体、頭の中はどうなっているの？」っていう作品を作る人で、こんな人を日本に呼んでいることが衝撃的でした。参加アーティストたちは東京含めて各地から集まり、数日間泊まり込みで作品作りをしました。このときに、カミーユを呼んだSCF代表の田中さんともいろいろと話をしましたね。</p>



<p>作品作りに参加しながらも「現代サーカスって何だろう？」と思っていましたが、それが明確にわからなくてもすごく楽しかったし、やっぱり自分が探求したいのは現代サーカスなんだという手応えがありました。それでも、当時はエンターテイメントのお仕事が多く、拠点はまだ東京でした。</p>



<p>このワークショップの約4年後、2019年に海外プロジェクトでの契約が決まり、東京の家を引き払いました。ところが、そのプロジェクトが中止になってしまって。帰る家もないし、東京に戻る必要はないんじゃないか。これまで行きたかったけど行けなかった場所、やってみたかったけど足踏みしていたことをやるタイミングなんだと考えました。</p>



<p>そんなとき最初に浮かんだのが、SCFの田中さんです。カミーユを呼んだ田中さんなら、絶対に面白いことをしていると思って香川まで会いに行ったら、これからどんどん新しいことが始まっていく印象を受けて。よし瀬戸内にいこう、と2019年に香川県に移住しました。</p>



<p>——ほとんど馴染みのない土地への移住に加え、エンターテイメントが数多くある東京とは離れた場所へ。生計を含めた生活への不安はなかったのでしょうか。&nbsp;</p>



<p>「練習場所は絶対にある」って田中さんが言ってくれて、他に心配することはなかったんです。楽観的ですよね（笑）。練習ができて何か良いものができたら、それを使ってどうにかなる、なんとかできると思っていました。実際に香川で活動してみると、練習場所に加え、新しいことにチャレンジする機会や、パフォーマンスの場を想像以上にいただけました。</p>



<p>——2019年から一年近くは、一人で練習されていたんですか？</p>



<p>そうですね、でも最初の一年はフランスやフィンランド、福岡に滞在しながら作品に出る期間があったので、ずっと香川にいるわけではなかったです。一年を通して香川にいたのはコロナ禍以降。この一年で、初めて香川の季節の移り変わりを知りました。冬は思ったほど寒くないし、一年を通して穏やかな場所ですね。いつも「さわさわさわ」っていう感じの海とか。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="750" height="500" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/123687550_10214373558212371_3953510414984911357_n.jpg" alt="" class="wp-image-1973" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/123687550_10214373558212371_3953510414984911357_n.jpg 750w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/123687550_10214373558212371_3953510414984911357_n-300x200.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/123687550_10214373558212371_3953510414984911357_n-600x400.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 750px) 100vw, 750px" /><figcaption class="wp-element-caption">2020年YonaYonaサーカスより／写真提供：SCF</figcaption></figure>



<p>——2020年を振り返ってみていかがですか？</p>



<p>公演「<a href="https://youtu.be/RqH7BXi1MIc" target="_blank" rel="noreferrer noopener">YonaYonaサーカス</a>」は回を重ねるごとに仲間が増えているような感覚でした。5つの会場を回りましたが、各会場の場所の力もお借りできたと感じています。それぞれに雰囲気が異なり、良いところがあって、場によって集まる人が変わりました。各会場に近い方やその場所が好きな方が来てくれたり、他の回を観た方、手伝ってくれた方が別の会場にも足を運んでくれたり。場所ごとに創作することも面白かったです。</p>



<p>パフォーマンス後のアフタートークでは、思いがけない質問や率直な感想、「こういう風に見えた」と伝えてくれるお客さんがいて、観た人が自由に何かを感じてくださっていました。現代サーカスには余白があって、そこに自分の感情を乗せていろんな見方ができます。そうやって見た人が自身の物語として受け入れて、そこから会話がうまれたらといいなと思っていたので、すごくうれしかったですね。</p>



<p>&nbsp;——今日練習していた新しい器具 “ムービングキューブ（仮称）” は、吉田さんが考案したんですよね？</p>



<p>はい。立方体の支柱による “キューブ” と呼ばれる器具を３年以上使っているなかで、「もっと違う動きをしたい」「不安定な面があったら面白い」「自分の身体をこう動かしたい」っていう思いが出てきて。お世話になっている高松の<a href="https://www.steel-factory.jp/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">槙塚鉄工所</a>に相談したら、「まずは好きな形を考えて、模型を作ってみて」と言われ、ゼロから自分で考えました。模型を見た職人さんからアドバイスを受けながら進めて、2021年2月に完成したばかりです。実際に使うまでは、本当に使えるかどうかもどうかもわからない、チャレンジングな取り組みでした。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="727" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290209-1024x727.jpg" alt="" class="wp-image-1974" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290209-1024x727.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290209-300x213.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290209-768x545.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290209-1536x1090.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290209-2048x1453.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290209-600x426.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">ムービングキューブでいろいろな動きを試す吉田さん</figcaption></figure>



<p>——この不思議な形は、どのように辿りついたのですか？</p>



<p>動かしたときに形が変わる、そこに身体を合わせたときにどうなるのかを考えて製作しました。手持ちのキューブとは支柱の重さや太さを変えてもらって、体重をかけるとコロンと動いて形が変わることを追及しています。使ってみてから気づいたことですが、動かすことで複雑に変化する影も面白いですね。キューブを使うと、支柱によって視覚がフレーム化されるのか、お客さんがよりフォーカスして観てくれる印象があります。新しいキューブがどんな風にお客さんの目に映るのか、それも楽しみです。</p>



<p>——ムービングキューブでの練習を拝見していると、様々な動きを試し、それを動画に撮ってチェックして、また少し動きを変え、再びチェックして——と、ゼロから創作するのって、地道な作業の繰り返しなんですね。</p>



<p>すごく地味ですよね。サーカスは器具を使うことが多いですが、自分の身体をどう合わせるのかを探り、器具と対話しないとどんな表現や動きができるのかわかりません。一見地味な作業を繰り返していくのですが、この時間こそが面白いです。少しずつしか進んでいませんが、この器具とはだいぶ仲良くなってきました。新しいキューブは安定する面がすごく限られていて、ワクワクしながら探求しています。半年近く練習し、2度ほど人前でパフォーマンスしました。親密度は60％くらいかな。</p>



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<iframe loading="lazy" title="New Cube Practice 2021" width="960" height="540" src="https://www.youtube.com/embed/y0RQA0QNleU?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe>
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<p>（▲ムービングキューブ練習の様子2021年2月）</p>



<p>——いつでも使える練習拠点があることで、どんな影響がありますか？</p>



<p>普通に考えたら、こういった器具を置く場所ってなかなかありません。練習の度に組み立ててばらすって、結構な労力なんです。器具を置かせてもらえることで時間を有効に使えたり、時間をかけてじっくり創作できることは大きいです。東京だと一時間単位で会場代が発生し、時間になったらすぐに出なくちゃいけない。時間の制約がないことで、器具をただ眺めてじっと考える時間も増え、創作の向き合い方が変わりました。</p>



<p>東京にいる時は練習が特別なものというか、「さぁ練習するぞ」と切り替えが必要でしたが、香川では練習が日常になり、自然と気持ちや感覚、視野が広がりました。2020年には3人のアーティストが香川に移住し、体育館に来れば誰かがいます。自分とは違う練習をしている様子が見られるし、私の器具を触って動いてみたり、意見をくれることもあります。それぞれジャンルが違うから、器具の動かし方やものの見え方が違うんですよね。これはすごく刺激になっています。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="768" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290410-1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-1978" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290410-1-1024x768.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290410-1-300x225.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290410-1-768x576.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290410-1-1536x1152.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290410-1-2048x1536.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290410-1-1200x900.jpg 1200w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290410-1-960x720.jpg 960w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/P4290410-1-600x450.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">三豊市の練習拠点では、他のアーティストたちも各々練習に取り組む</figcaption></figure>



<p>——吉田さんは、いつもどのような思いでパフォーマンスや創作をされていますか？</p>



<p>現代サーカスを観る、という文化が醸成してきている実感がありますし、そこに関われていることが幸せです。「観た人にこういう気持ちになってほしい」っていうものはありません。楽しいとか、頑張ろうとか、何かを思い出したとか、なんだかよくわからない気持ち……いろいろあると思うんですが、心が動くと、日々に新しい色が増えて、鮮やかになっていくと思うんです。そんな風に、観た人の心が少しでも動く作品を創り続けていきたいです。</p>



<p></p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="801" src="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/IMG_1426_Original-1024x801.jpg" alt="" class="wp-image-1979" srcset="https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/IMG_1426_Original-1024x801.jpg 1024w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/IMG_1426_Original-300x235.jpg 300w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/IMG_1426_Original-768x601.jpg 768w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/IMG_1426_Original-1536x1202.jpg 1536w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/IMG_1426_Original-2048x1602.jpg 2048w, https://setouchipress.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/IMG_1426_Original-600x469.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p><strong>吉田亜希</strong><br>群馬県出身。幼少期から体操競技を始め、大学卒業後はエアリアル、ダンス、演劇等の様々な身体表現を学び、エンターテイメントの世界へ。浜崎あゆみ、郷ひろみ等のアーティストライブやTVCM、MV、演劇舞台、シルク・ド・ソレイユアーティストバンク登録などを経て、現代サーカスの道へ。日仏合同作品「空知遊覧」、横浜パラトリエンナーレ、SCF LaVigneフランスツアー、ながめくらしつ等に参加・出演し、国内外で活躍する。インストラクターやコレオグラファーとしても活動する。瀬戸内サーカスファクトリーアソシエイト・アーティスト。<br><a href="https://aki-yoshida.jimdofree.com/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">Aki Yoshida Website</a>、<a href="http://scf.or.jp/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">瀬戸内サーカスファクトリーホームページ</a></p>



<figure class="wp-block-embed is-type-rich is-provider-埋め込みハンドラー wp-block-embed-埋め込みハンドラー wp-embed-aspect-16-9 wp-has-aspect-ratio"><div class="wp-block-embed__wrapper">
<iframe loading="lazy" title="KinGyo" width="960" height="540" src="https://www.youtube.com/embed/b50Lq_WIWuA?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe>
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<p>投稿 <a href="https://setouchipress.com/scf002/">創作が日常になる。香川へ移住したアーティスト・吉田亜希さん</a> は <a href="https://setouchipress.com">瀬戸内通信社</a> に最初に表示されました。</p>
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